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2007年10月07日

●中国製トゥールビヨンに異変?

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トゥールビヨンは再び高嶺の花となるのか?

さて、ようやく仕事もひと段落ついたので更新。
色々な方のご尽力で、予想以上に速く仕事が片付いています。嬉しいなぁ。

そんな休日の仕事の合間にも色々時計を見ている訳ですが、
ここ1?2ヶ月の間に、中国製トゥールビヨンムーブメントを搭載した時計が
高騰しているようです。まだ確たる動向をつかんでいる訳ではないのですが…。

18世紀に天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲが開発した超複雑機構・トゥールビヨンは、
1985?86年頃にブレゲやオーデマ・ピゲが腕時計に搭載したことでブームが開花し、
ここ数年(特に昨年あたり)高級時計メゾン(ブランド)はこぞって自社ラインナップの頂点に
トゥールビヨン搭載のアイテムをリリースしていました。
その値段はおおよそ600万円から4,000万円ほど。
高級車や一軒家が買える程の値段がトゥールビヨンに付けられ、それが売れたのです。

この過程で、スイスのSTT(現在はボヴェ傘下となり、ディミエ1738となっている)が
300万円のビヨンムーブを出したり、クロノスイスが350万円クラスのビヨン時計を出したり
したのですが、スイス時計産業の政治的な思惑もあり、ビヨンムーブは依然として
とてつもなく高額なものとなっています。
実際本物のトゥールビヨンムーブが動くのを見たことがある、という人は少ないですし
ましてトゥールビヨンという時計の機構があることを知らない人も多いでしょう。

ところが、この状況を打破したのが香港・中国の時計産業でした。
香港の天才、キュー・タイユー(矯大羽)がまず先陣を切ってオリジナルのビヨンムーブを
発表。以降香港・中国のメーカーが次々と廉価なビヨンムーブを発売します。
その価格は卸値で4?8万円程度。この安いビヨンムーブを搭載した無名メゾンが、
続々とトゥールビヨン戦線に参入してきたのです。
その価格はおよそ10万円から80万円。スイス製ビヨン時計の価格帯を考えると、
常識外れの価格ということが出来るでしょう。

日本ではビーバレルケンテックス、海外ではドイツのAeromatic1912などが
それに相当しますが、実はこの中華ビヨンムーブに、大手ブランドが注目しているそうで。
実際、某イタリアンブランド(超有名)の機械式時計のムーブは殆ど中国製だそうです。
まあ、これには2010年以降スウォッチ・グループのエボーシュ(ムーブメント製造会社)、
ETA社がグループ以外のメゾンへのムーブ供給を制限するという「2010年問題」も
絡んでいるんでしょうけどね。
これを追い風として、中国のエボーシュは強気の商売になってきているようです。

そんな中国のメーカーは、2010年問題を背景に製造能力・商品の精度を高めて
商業的に成功する一方、自社ブランドの育成にも積極的に乗り出しているようです。
実際、中華ビヨンの最大シェアを誇るシーガル社(上海)は完成品メーカーとしても
かなりの知名度を持つようになってきています。

このように、2010年問題・ヨーロッパの高級ブランドへのムーブ採用・自社ブランドの
成長など、様々な要因を背景としているのかもしれませんが、短期間で中国製の
トゥールビヨンムーブメントの価格が高騰。供給も若干絞られているようです。
結果として、今後「激安トゥールビヨン」は次第に市場から減っていくような気がします。

国内メーカーの動向を見ていると特に変動はありませんが、メーカーの製作担当者の
ブログ(ここここ)を見ていると、供給体制確保への苦労が見て取れますし、
この手の時計が溢れていたeBayを見ても、ドイツ系やアメリカ系のメゾンによる
中華ビヨンの時計が減っており、出ているものの落札相場もかなり高騰しています。
実は先程、中国ブランドのトゥールビヨン時計に入札したのですが、以前なら落札できた
位の価格を入札しても、ものの1時間で高値更新してしまったのです。
うーん…これはマズいぞ…。

まぁこの手の時計は非常に趣味性が強いので、元々需要も少ないのでしょうが
スイス製は無理でも、中国製なら…とビヨンを検討していた人にはダメージでしょう。
トゥールビヨンは、再び高嶺の花となってしまうのでしょうか?

僕がアメリカ系のメゾンのトゥールビヨンを購入したのが7月。
それから随分状況は変化しています。
この記事を検索で見つけた方は、おそらくトゥールビヨンの購入を検討しているのでしょうから、
その気があるなら急いだ方がいいかもしれません。

ちなみに、このサイトは中国のメーカーの直販サイトのようです。
ここの価格も随分上がりましたが、古いビヨン商品は安いままです。
このサイトがどこまで信用できるかは保証しかねますが、ご参考までに…。
(ヲタ過ぎる話題、失礼しました。)

【関連記事】
中国製トゥールビヨンの話?(2007年11月23日)