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2010年05月23日

●いまだに。

これを超える自動車のCMを、僕は知りません。

2002年の作品だと記憶しているのですが、これを初めて観た時、鳥肌が立ちました。
フェアレディZが持つスポーツカーとしての商品イメージ。
フェアレディZがそのイメージを社会で確定させるに至った歴史。
そして、再びその魅力に取り憑かれる新しい世代のメタファー。
分割されてこそその凄みを発揮する、短いコピー。
構成色素やBGMにまで徹底された「引き算」の美学。

フェアレディZは感性で売る商品だ、という送り手の思想が
高いレベルで実現できているな、と思います。
比較対象として、かなり似ているCMをご紹介しましょう。同じ日産のスカイライン・クーペです。

こちらは同じようなコンセプトなのに、引き算が足りなかった事例ではないかと考えます。
特にC110?の洗車の回想シーンがあざとい印象を受けるんですね。
感性に訴求したいのなら、受け手には寧ろ素材だけを渡した方がいいのではないかと。
これは推測に過ぎませんが、フェアレディZのCFが一部で「わかりにくい」と言われて
それを反映させたのがこのCMではないかなー、なんて。サラリーマン的事情ですね。
分かり易さなんて、感性訴求の広告には不要だと思うのですが。

ちなみに、このフェアレディZの先代(Z32)のCFも悪くないですね。
如何にもバブル期の広告ですが、「スポーツカーに乗ろうと思う。」というコピーは
かなり刺さった人も多かったのでは無いでしょうか。

余談ですが、このZ32と同時期に発売された、三菱GTOのCF。
雰囲気だけ似ていますがコピーがダメダメ。何が言いたいのか分かりません。
ライバルって何?それに対してのGTOの優位性も語らずに何が伝わるの?
…その辺に、ZとGTOのキャラクターの違いが出ているような気がします。