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2012年05月10日

●「自分に合う会社」はあるか。

さて今回は、以下の記事を読んで考えたことなどを。

「この仕事は合ってません!」と1カ月で辞める新人の“事情”(日経ビジネスオンライン)

僕は自分で設立した会社を除き、3つの会社で働いてきた。
そしてどの会社でも、前述の記事にある「リアリティー・ショック」を受けて
所属の初期において、辞めたい!と思った。
「もっと自分に合う職場、合う会社、自分の力を発揮できる会社がある!」と思った。
2つ目の会社の時など、なまじ前職で自信を持っていたが故に
うつ病にまでなってしまい、完治までに1年以上懸かってしまった。

その経験から言えば、最初から「自分に合う会社」なんて存在しないと思う。

ただ、最初の会社で辞めたい辞めたいと思っていた時に
先輩から「どんなに辛くても、3年いれば絶対に状況が変わるから、そこまで頑張れ」と云われた。
聞いた当初は、3年なんてとてもじゃないけど無理…などと思っていたけれど
実際、入社から2年半を経過したところでようやく自分なりの「コツ」を掴んで
まる3年経った4年目からは俄然仕事が楽しくなった。
先輩の言葉は正しかったなぁ!と思い、その後勤めた会社は
どんなに辛くても、いずれも3年以上在籍した。

実際には3つの会社を辞めているから、上述の話には説得力がないかもしれないが
2つ目の会社に移る時は、地方局からキー局への転進という明確な目標があったし、
3つ目の会社に移る時は、サラリーマンから経営者(取締役)への転進が目的で
株式会社SEVENを作ったのは「独立して、自分の掲げた旗で戦う」というのが目的だった。
辞めたどの会社とも、退職後も良好な関係を保っているし、
そもそも会社が嫌いだから辞めた…という訳ではない。

閑話休題。
この「最低3年は我慢して在籍した方が良い」というのは、比較的あちこちで聞く言葉だ。
それをある程度論理的に考えてみると、新しい仕事を自分のものにするためには
下記のステップが必要なのだな、と考えた。

1.所属組織の「文法」を掴みとる。
2.自分の仕事の要領を覚える。
3.顧客(或いは市場)の状況を分析し、その中での自分の仕事の役割や意義を理解する。
4.自分の仕事に関連する人々の役割や意義を理解する。
5.自分ならでは、の仕事を創り出し、自分の存在意義を確立する。

…こう考えると、それぞれのステップはやはり応分の時間が必要で
特に4番以降のプロセスは、それ以前をきちんと達成しなければ挑むことも難しい。
幾ら優秀で才気煥発な人であっても、一足飛びにイノベイティブな存在にはなれないのではないか。
まして平凡であったり、他者よりちょっと優れている程度ではどうにもならない。
この辺に「最低3年間は…」という言葉の説得力があるのではないか。

人間は、それが他者から強制されたものであっても
自身の行動に意味付けが出来ないと、継続(或いは成長)できないと聞いたことがある。
そう考えると、最低でも3番のプロセスまでは進まないと、どれだけ転職を重ねようと
いつまでも居心地の悪さを抱え続けるのでは無いだろうか。

僕は、巷間に溢れる「自分探し」という表現が好きではない。
いや、ちゃんと自分を確立してからのそれはなんの文句も無いし、寧ろ応援したいのだけれど
自分のキャリアにひとつも柱が無い状態で自分探しをすることに意味があるとは思えない。
押し付けを感じても、軋轢に悩んでも、プレッシャーに苦しんでも
それをくぐり抜けないと得られない「成功への道筋」があると思う。
その手前で投げ出してしまえば、結局「どうすれば上手くいくか」のノウハウが無いのだから
いつまでも迷走してしまう。

そう考えると、やはり2年以内の離職率が35%という現実(冒頭リンク先参照)は
あまり良い傾向だと思えない。
未来が不透明だからとか、上司がどうだとか、転職エージェントが煽るからとか
そんなトレンドに躍らされるのではなく、
せめて「どうやったら社会で自分の立ち位置を確保できるのか」が見えてくるまでは
理不尽でも我慢した方がいいのではないかと考える。

もちろん、ただ3年居るだけでなんとかなる訳はなくて
その期間中に色々頑張らなければいけない。苦しまなければいけない。
ただ不平不満を並べているだけならば。仕事と対決しないならば
会社からすれば利益にはならないのだから。
例えば総支給20万円のお給料を貰う人が、毎月20万円の売り上げを得たとしても
それは会社からすれば完全に赤字。下手すりゃ20万円の粗利を上げても赤字の場合もある。
月次では無理でも四半期で。四半期で無理なら半期で。あるいは通期で
なんとか自分を「黒字要因」に持って行く努力は必要ではないか。
その辺の「お給料の仕組み」や、それに基づく緊張感は持っておくべきだと思う。