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2012年07月18日

●「巨人・大鵬・卵焼き」は遠く。

ロンドン五輪まであと10日というのに、一向に盛り上がっていない気がする。
実際広告業界を観てみると、オリンピックイヤーであるにも関わらず
売上が劇的に向上している気配は無い。僕の前職は記者の特派を行わないそうだ。
民放連のラジオ統一企画も、オンエアには触れるものの印象に残るほどではない。

それは当然、景気の動向が最大の原因だと思うが
メディアによるスポーツコンテンツの拡大が直接的には影響しているのかなと考えた。

かつては巨人戦を中心としたプロ野球と高校野球、そして大相撲が絶対的な王道だったのが
バブル期以降、メディアの俎上に乗るスポーツコンテンツは一気に拡大した。
サッカー、格闘技、モータースポーツ、バレーボール、卓球、陸上競技、スケートなどなど。
僕が業務で参加した世界水泳選手権なども華々しかった。
あらゆる競技で(メディア的な視点での)コンテンツ開発が進み、目にする機会が増えた。
僕らは野球や相撲以外にも、ドラマティックで熱い興奮があることを知ったと思う。
沢山のヒーロー・ヒロインが発掘され、人気を集めた。
いま41歳の僕が10歳だった80年ごろは、
フェンシングや体操、卓球やハンマー投げの選手がTVCFで活躍するなんて夢にも思わなかっただろう。

ただ結果として、そのコンテンツ開発は
一般の興味の拡散・細分化を招き、或いは各競技の一番面白いものをザッピングするような
そんな観戦態様を定着させたような気がする。
それは90年代後半からのネット文化の発展と非常に似ている。
スポーツコンテンツは、Push型ではなくPull型の特性を示すようになったと云えないだろうか。

とは言えプロスポーツは、「ほどほどの露出」では広告媒体として機能できないし
(プロ野球に限らず、日本のプロスポーツは企業の広告費への依存度が高めだ)
その主軸となるべき興行だけで利益を上げ、成長を持続することはできない。
プロ野球独立リーグやプロバスケリーグの選手たちは、実際には競技だけで食べることは出来ないし
格闘技は再びマニアのものとなり、F1は地上波で観ることが出来なくなった。
接触者の総数と、その可処分時間/コストは劇的には増えないのだから
コンテンツが増えるぶん、それぞれに集まる人やカネは少なくなっていく。
まして世界各地で日本人選手が活躍すれば、海外の競技までコンテンダーになっていく。

この傾向は、まさにメディアの状況と歩調を合わせたもので、
景気の拡大や技術の進歩によって、メディア市場でのプレイヤーが増加したことが大きいだろう。
4マスなどという言葉は既に死語になり、電波も紙もネットも、大小様々なメディア企業がひしめいている。
「キラーコンテンツ」がそれぞれの命運を握っているが故に
スポーツだけではなく、音楽や芸能、芸術などの各領域で「乱獲」が行われ
素人同然(…というか、まんま素人が活躍することも多い)の「一次発信者」までが
駆り出される場面が増えている。これじゃ本末転倒だ。

一方、その総数や可処分コストに限界があるのは
メディア事業を成立させるもう一方の要素である広告主でも同じことで
「ロングテール」などという言葉とともに、各メディアの収益性は希薄化している。
まして消費動向が長く低迷すれば、広告主も漫然とコストは懸けられない。

この、消費者側と広告主側の数的な限界を軽視したことが
昨今のメディア不況の一番の原因ではないか。
Webのようなプラットフォーム(或いはそれで一定以上代替できてしまう多くのメディア)では
スケールメリットが活かしにくいし
コンテンツの一次発信者が、直接消費者にコンタクトすることも容易になった。
相対的に既存メディアのプレゼンスは低下し続けている。

このような状況で、苦境に喘ぐメディアがどう戦うかというのは
それぞれの冷静な自己分析と対策が為されないと見えてこないと思う。
ただそれは、やはりコンテンツの精度向上と、それに伴うメディアのプレゼンス向上が
主となるべきで、「新しいメディアを更に増やそう」という方向では無いと思う。
これ以上コンテンツと広告費の希薄化を進めて、本当に収益は上がるんだろうか。
莫大な資本投下に対するリターンは得られるのだろうか。
ブルーオーシャンという言葉は、こと国内のメディア事業においては存在しないのではないか。

それ故に、今日(7月17日)の日経夕刊1面を飾った
デジタルラジオ 2014年度に …設備投資、最大1000億円」という見出しは
この世界で20年近く働いてきた一人として、不安を覚えてしまう。

個人的には、メディア市場にはレッドオーシャンしか広がっていないことを確認し
そこでラジオが勝ち抜くために、コンテンツの質的向上を図った上で
類似するメディアを駆逐していくのが一番の早道ではないかと考えている。
「やっぱりラジオだよね」と、消費者にも広告主にも思わせて
他メディアへの流出を最小限に抑え、新規顧客の流入を図るべきなのではないか。
Pull型の時代に、選ばれるメディアを目指さずして
取り敢えず「的」をふたつに増やそうという考えは危険だと感じる。

2012年06月26日

●Hands-on

今日、仕事でお付き合いのある「日経ヴェリタス」を読んでいたら
ある企業再生ファンドの上場廃止に関する記事があり、そこから色々調べていた。
企業投資ファンドもベンチャー・キャピタルも、なかなか厳しい時代のようだ。

僕がここ数年、動向を注視している或る企業再生ファンドは「ハンズオン型」なのだが、
彼らのハンズオンとは、どのようなものなのかといつも想像する。
投資先である企業には、それぞれが属する「業界」と、個別の「社風」がある。
MBA的な(或いは市場的な?)ノウハウだけでは、なかなか難しいのではないかと考えている。

そのファンドが、投資先の企業に最初に送りこんだ社長に対して
僕は友人と一緒に、再建提案を持って行ったのだけれど
その社長の業界観や、社風への理解に距離を感じて
こりゃ話が通じないな、と手を引いた。
ファンドは当初、その社長が業界のプロと踏んで起用したのだろうけれど
その世界に棲んでいる僕から観れば、それは残念な人選だったと思う。
その方の力量が不足しているという意味では毛頭なく、
ハンズオンするメンバーとしてはマッチしていないと思ったのだ。
あれから数年が経ち、結果その企業には、ファンドの社長自ら代表取締役として乗り込んでいる。

僕は、これまで二つの放送局に勤務した。
二つ目の放送局を選んだ理由は「キー局であること」と「FM単営局であること」。
これによって僕は、「キー局でもローカル局でも」「AM局でもFM局でも」「単営局でも兼営局でも」
業務経験をさせて貰った。

その上で独立した時点では
業務において「短波局」「インターネット配信」「コミュニティ局」「海外局」の実績を得て、
経営において「従業員から経営者へ」という経験を得た。
また、それぞれのキャリアを通じて「ゼネラリストのスペシャリスト」を目指している。
加えて、ラジオ以外のメディアの仕事にも参加することで、視野を拡げたいと考えている。

なぜこういうキャリアプランを描いているかというと
僕が最初の転職をした2002年の時点で、ラジオという産業がかなり厳しい局面に立っていたから。
ラジオ広告費は、僕がこの業界に入った93年は2,113億あったのだが、転職した02年には1,837億。
そして11年には1,247億まで減っている。(「日本の広告費」/電通
僕がこの業界に入った時には、ラジオ局の倒産なんて想像も出来なかったのに
一昨年には引受先が決まらないまま、名古屋の局が電波を止めてしまった。
だからこそ。そんな時代ゆえに
僕は「スタッフ視点ではなく、マネージャー視点で仕事が出来るようになろう」と考えた。

今はまだ、全く力が及ばないけれど
(それどころか『もうオールドファッションなのでは』と危惧しているのだけれど)
いつか、どこかの放送局にハンズオンしてみたい。
こんな大それたことを考えていると知れたら、
周りの人には笑われるかもしれない、叱られるかもしれない。
でも、この目標は変えたくない。
そうじゃないと、僕は何のために自分の環境を変化させて行ったか解らなくなってしまうから。

ということで
自分の目標の再確認と、将来への挑戦のために
ここでひっそりと、目論見を書いておきます!

2012年02月13日

●新しい全体主義

この記事に違和感を感じたので、思ったことを。
まずリンク先の記事をご一読頂ければ。

田原総一朗氏らが基調対論 ツイッターでジャーナリズム「変わった」(毎日新聞)

僕はこの中にある佐々木俊尚氏の「社会を再結成、再構築する方向に向いている」という
ポジティブな印象に読み取れる分析に、強い違和感を抱いた。
個人的には、最近の「SNS上の社会」(ここは厳密に定義したい)には寧ろ
「ハニカム全体主義」とでも形容すべき、危険な構造が醸成されつつあると分析している。

ハニカム全体主義というのは僕が思いついた造語でしかないんだけれども
80年代、個人向け消費財が進化する過程で発生した、「個人のコクーン化」に、
90年代中盤から始まったIT革命以降の「個の発信」機能が付加されて、
ラウド・マイノリティという存在が看過できない存在になっていることを下敷きにしている。
まあ、何かが起きるとブンブンブンブンと蜂の巣をつついたように姦しくなる
昨今のWeb界隈のメタファーもありつつ…(笑)

Webの匿名性をコクーンの担保として、一方で酷く感情的な言動を個々が発信し、
同じ空気をSNS上で共有すると、それが巨大な感覚の集合体になり、
同調圧力を伴ってWeb社会上を闊歩する。これを蜂の巣構造(ハニカム)の全体主義と名付けてみる。
この傾向は、Webにおける個人レベルの情報発信が
Webサイト→Blog→SNS→Twitterなどのソーシャルメディア…と簡便になるに連れて
次第に強まっていると思う。
リテラシーが決して高くない人びとが参加しやすくなったことが影響しているのではないか。
まだWebがイノベイターやアーリーアダプターのものだった頃は、今のような付和雷同な動きは少なく
寧ろ何でもかんでも議論、議論だったような気がするのだ。
(まあ、それはそれでメンド臭かったりするんだけれども)

ハニカム全体主義は、個の閉鎖性を維持したまま、
意識の集合が巨大化するという、新しい社会性を帯びている。
それを再結成・再構築と指摘するのであれば、佐々木氏の分析は正しいと思うが
僕はそこにポジティブな印象を持つことができない。
感情と、それを集約した「空気」が、SNSのような限定された空間に充填されると
これまで以上に無責任な世論が形成されると思うからだ。
まして、なんとなくソーシャルメディア上での世論が実社会の世論と混同されがちな現在において
その危険性は非常に高いと考える。

僕が度々指摘している「空気のファシズム」は、このハニカム全体主義と同義。
思考が深まらず、感覚や気分だけが飽和して、実体社会に影響し過ぎるのは問題だと思う。
この点において、SNSの功罪は常に考えなければいけないのではないか。
事実、アラブの春を経たチュニジアやエジプトの混乱は
意志の中核や主体を持たない―つまりポスト体制の具体的な絵図を描けない
「烏合の衆革命」の脆弱さを浮き彫りにしていると思うのだ。
そこにあるのは民主主義ではなく、気分の全体主義だ。

この高度情報社会で大事なのは、溢れかえる情報の中で
考え、自分の分析を持ち、その上に自身の意見を構築すること。
SNSに溢れる「気分」を感じることを、考えたと勘違いしがちだがそれは違う。
最近「情報のキュレーター」なんて存在が持て囃されたりしているが
それすら疑ってかかってもいいと、個人的には思っている。

2012年01月30日

●出会いはラジオから。

さて、珍しく連続して音楽に関するエントリーを。
今月、ファーストアルバムをリリースしたSCOTT GOES FORがお気に入りです。


これは「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」のカバーですね。

バンドの来歴とかは取り敢えず置いておいて
(メンバーそれぞれが充分なキャリアを誇っているようなのですが、そもそもよく知らんのです。笑)
アルバムに収録された各曲の素晴らしいメロディラインと、「コード感」が大好物。
上質な「オトナのためのロック」に仕上がっていると思います。
特に、オープニングトラックの「SEVENTEEN」とか、2曲目の「Take Enough Time」などは
聴いているだけでワクワクします。

このSCOTT GOES FOR、仕事中にラジオから「Take Enough Time」が聴こえてきて
そこで気に入って楽曲検索→Amazonで注文…という流れだったのですが
数年前、BEAT CRUSADERSの「FEEL」を聴いた時と同じようなトキメキを覚えました。
こういう風に、知らない楽曲と幸せな邂逅を果たせるのが、ラジオの魅力ですよね。
Webを中心としたPull型のメディアやプラットフォームでは、なかなか出来ないことです。

パソコンやスマートフォンでラジオが楽しめる、radiko.jp
今や全国100のラジオ局の過半が対応しています。勿論無料で聴けますよ。
ちょうど今日から、福井県(福井放送)、島根県・鳥取県(山陰放送)、
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2011年10月11日

●アフリカ進出計画、とか。

これまでにもこのブログで再三宣伝させて頂いているのですが
株式会社SEVENはハワイ州のホノルル市で日本語FM放送「Hawaii101FM」を運営し、
且つそこで制作した番組を、国内のFMラジオ局に販売するなどしています。

僕が放送業界に入った1990年代初頭は、海外制作や中継は大事業で
凄まじいコストと綿密な準備、大規模な設備が必要でした。
僕が在籍していた九州朝日放送は、業界ではそれなりに規模のある放送局でしたが
それでも海外制作なんて、年に数本しかなかったのではないでしょうか。

ところがIT革命のおかげで、今や海外制作は大して難しいものでは無くなっています。
Twitterで現地のDJやスタッフを募集し、SkypeやFacetimeで面接や打ち合わせをして、
現地の放送局とメールで交渉し、FTPサーバで番組データの遣り取りをする。
否、今やそのFTPサーバすら、Dropboxに置き換えられつつあります。
弊社制作番組「Aloha Weekend」の第2代DJのジューンは、出演契約交渉から卒業までの間、
リアルで会ったことはありませんでした(笑)
番組の制作コストも国内とほぼ変わらず、寧ろ昨今の円高状況で低廉化傾向にあります。
一番痛いのは、銀行の国際送金手数料だったりします。

で、最近iPhoneアプリのTuneIn Radio(これ、Android用もありました)で
アフリカのFMラジオを聴くのがマイブームなのですが
楽しんでいるうちに「うちからアフリカとか南米とか中東とかのラジオ局に、
日本語のラジオ番組を供給できないだろうか?」と考え始めました。
そりゃ言葉の壁とかはありますが、事業構造は福岡やハワイのラジオ局との遣り取りと変わらない。
まあ向こうも僕の英語くらいは理解できるだろうから、お互いに番組を交換するような遊び方は
出来るのではないかと思っています。

それが商売になるのか、と云えば「どーかなー…?」という感じなのですが
「株式会社SEVENは、日米だけでなく、コンゴやブルキナファソやレソトや赤道ギニアに
番組を供給しています!」なんて言うことが出来れば、宣伝としては面白いのかな、なんて。
日本のビジネスマンなどは世界中あらゆる国にいらっしゃいますから、
そんな人達から番組のご感想やリクエストを頂けたりしたら、これまた幸せだな、とか
途方もなく遠くのアフリカの人が、うちの番組で日本語を勉強したりとか…
そんな光景を妄想しています。

とりあえずパイロット版を作ってみて、適当に各国のラジオ局に声をかけてみようかな?
だとしたら、別にそれはアフリカとかアジアに限らず、世界中どこでもいいんだよな。
最近は業務多忙につき、即行動に移すことは難しいのですが、
その分時間をかけて構想を練ってみたいと思います。

ITの功罪は色いろあるのですが
ことラジオ屋の僕には、面白く、好奇心を刺激されることが多いようです。

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目下のお気に入りはアフリカ全土で聴ける(と思われる)「La Radio Africaine」。
これは赤道ギニアでの放送を聴取しています。

2011年09月04日

●クラウドとソーシャル。

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今回購入したのはLenovoのThinkpad。Thinkapadは久し振りに購入。

自宅用のPCが壊れたので、今回はCore i5を搭載したThinkpadを購入しました。
これまで番組の編集など、マシンパワーが必要な作業は会社のデスクトップでしか出来なかったので
買い替えを機に、自宅でも作業出来る環境を整備しようと思ったのです。
いま使っているマシンの中ではダントツにハイスペックなので、作業がとても楽です。

独立して以来、ノマドワーキングの重要性を感じて
比較的早い段階から機材を揃えてきたのですが、
特に最近DropboxEvernote、そしてGoogle Chromeなどのツールによって劇的に進化しています。
更にiPhoneを導入したことで、電車の中などでもシームレスに作業が継続出来るのは嬉しいですね。
(その分、移動中だろうが寝床の中だろうが、いつでも仕事をしてる感もありますが…)
また、イーモバイルの端末をPocket Wi-Fiに切り替えたことで、大容量ファイルを外出中に扱えます。

また様々なサービスによって、業務の地理的制約が殆ど無くなっていることも重要です。
例えば今週は、Aloha Weekendの新DJ募集をTwitter上で行い、応募者の面接をSkypeで実施。
(ホノルルで制作しているAloha WeekendのDJは、当然ホノルル在住者です。)
一方、この番組のパートナーであるホスピタブル社の松清社長を韓国出張中に捕まえて
これまたSkypeで打ち合わせをする…という感じです。
将来的には、移動時間を確保できない場合の会議参加などもSkypeやFacetimeで可能になるでしょう。

ソーシャルメディアに目を向けると、先述の通り海外でのオーディション参加者を
Twitterで募集するようなことが出来ますし、Facebookでお仕事の依頼を頂くことも増えました。
また、Twitterによる消費者とのコミュニケーション活動を受託するなどもしています。
最近お客様にご提案する企画の中に、ソーシャル系のそれが含まれないことは殆どありません。
それだけソーシャルメディアが浸透し、活用しやすい環境になっているのでしょう。

株式会社SEVENのように、人的・資金的リソースが小さい会社の場合、
これらのサービスを如何に活用して成長を遂げるかがとても大事な要因になってきます。
スタッフ個々人の生産性を極大化しコストパフォーマンスを向上させていけば、それだけ利益率が上がります。
最近痛感しているのですが、弊社くらいの規模で、かつ生産しているものがソフトウェアである会社は
「維持する」は「縮退する」と同義です。防衛的(或いは現状維持的)な業務のみで運営を考えると、
案件ごとの環境変化(それはコストダウンを背景としがちです)や、コンテンダーとの価格競争で
想像以上に目減りしてしまうんですね。
売り上げ的にも、業容的にも、成長を続けなければ潰れてしまうのです。

中小企業が有限のリソースを前提として拡大を図るには
クラウドとソーシャルを活用して、時間的・地理的・人員的・資金的な効率化は必須です。
「俺はトシだから、そういうのには疎いんだよな」では、座して死を待つようなものです。
新しい収益の道筋も、これらクラウドやソーシャルによって生み出せる可能性があります。
固くなってきた脳味噌と闘いながら、会社の「未来」を頑張って探していこうと思っています。

2011年04月20日

●【提言】今こそアナログラジオを。

Image647.jpg
いま僕が自宅で使っているラジオ。オーム電機のRAD-S311N。
AM/FMに加え、SW(短波放送)も聴けます。これをエネループで稼動させています。

さて、今回の震災で一番重要な情報のひとつは「緊急地震速報」です。
地震の初期微動(P波)を検知し、主要動(S波)が到達する前に警戒を促すこの速報は
テレビ・ラジオ全局に加え、一部の携帯電話やインターネットでも取得することができます。
ただこの緊急地震速報、地上デジタルテレビ放送―つまり「地デジTV」では
受信が遅れることをご存知でしょうか?こちらの引用をご覧下さい。


地デジの緊急地震速報、遅れ解消へ 在京各局が新システム運用開始
日本新聞協会 2010年8月23日配信より引用

地上デジタルテレビ放送の緊急地震速報がアナログ放送より遅れる問題を解消するため、
NHKと在京民放キー局は8月23日、地震発生地や予測震度などを地図で表示する前に、
「緊急地震速報」というスーパーとチャイム音を流すシステムの運用を開始した。
総務省が放送各局に対し、速報の迅速化を求めていた。

 NHKによると、デジタル放送の緊急地震速報はアナログ放送より約1.6-3.3秒遅れる。
今回導入するスーパーは、難聴者向け字幕放送と同じ信号を使う。
従来より約1.0-2.5秒早くなる。ワンセグ放送には対応しない。

 NHKは同日、東京タワーからの電波を受信できる地域と27の放送局で運用を始めた。
10月末までに全国での実施を目指す。

この記事で注意して頂きたい点が2つあります。
まず、「対策が施される前の地デジの緊急地震速報は、アナログより約1.6-3.3秒遅れる」点。
そして「改善後の地デジの緊急地震速報は、約1.0-2.5秒早くなる。ワンセグ放送には対応しない」点。
つまり対策が施された後でさえ、地デジの緊急地震速報はアナログTVより約0.6-0.8秒遅れる訳です。
しかも携帯電話などのワンセグ放送は、更に遅れる訳です。

ものすごく簡単にご説明すると、地デジTVでは番組を電波に乗せるに当たって
放送をあるデータフォーマットに処理(エンコード)して、端末(TV受像機)で
それを復号(デコード)します。
このエンコード-デコードの両方の処理の時間分、速報表示が遅れる訳なんですね。

もともと今年7月24日には、現行のアナログテレビ放送を完全に休止
地デジ放送に一本化される予定だったのですが、東日本大震災の被災地である岩手・宮城・福島では
最大一年程度、地デジへの完全移行が延期されることになったそうです。
(参考:<地デジ>3県の移行延期を発表 岩手、宮城、福島 (毎日新聞)
ただ今回の震災で、地デジテレビの弱点である「速報の遅れ」は非常に気になるものでした。
これは被災3県の問題ではなく、今回の震災の影響を受けていない地域も含めた全国的な問題です。

既にこのブログで何回か書いていますが、僕はPCのブラウザ・Google Chromeに
緊急地震速報エクステンションというアプリケーションをインストールしています。
これと地デジTVを比較すると、体感的・経験的に9割以上Chromeの方が速く速報するのです。
しかもこちらは、震源地・予想震度・予想マグニチュードを表示します。
この3週間ほどは、Chromeで緊急地震速報を確認→TVで確認という流れが当たり前になっています。
(勿論これは、インターネットへの接続環境により大きく変わってくるものであることにご注意下さい。
僕の会社及び自宅は、共に光ファイバー接続で、ベストエフォートで100Mb/sの速度です。)
体感速度では、短くて0.5秒、長いと2秒以上の差があります。

「なんだ。たった2秒か」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかしこの1・2秒の時間が、一刻を争う事態では極めて重いものとなります。
実際、僕が自宅でこのような状況に遭遇すると、例えばリビングに寝そべっていたとしても
1秒程度で立ち上がり、次の1秒で携帯電話と財布を探すことが出来ます。
その上で、TVの緊急地震速報が鳴った時にはセイフティルームである寝室に向かい始めているのです。
例えば震源から自分の居る場所までの距離が50kmあったと仮定して
P波(秒速約7km)とS波(同約4km)の伝播速度の差を考慮すると、
震源地でP波発生の10秒後に緊急地震速報が鳴った場合

1.P波が自分の位置に到達するまで…7.14秒後
2.緊急地震速報を受信…10秒後(P波到達2.86秒後)
3.主要動(S波)が自分の位置に到達するまで…16.67秒後(緊急地震速報受信後6.67秒)

…という計算になります。(非常に大雑把です。間違っていたらご指摘下さい。)

※東日本大震災の際は、P波発生から一般向け緊急地震速報まで8.6秒かかっています

この僅か6.67秒しかない対応時間が、地デジによって1秒遅れたら猶予は5.67秒。
この差は大変大きいと、僕はこの数週間の実体験で痛感しています。
まして、震源との距離が極めて小さい直下型地震の場合はどうなるでしょう?

とは言え、有限の資源である電波をより効率的に使うために地デジは整備されたもの。
エコポイント制度などを使ってまで、国策でアナログからデジタルへの転換を進めてきたのですから
今更「デジ・アナ並存」というのは本末転倒な話しですし、放送局はその負担に耐えられないでしょう。
そうすると、「アナログ波で高速に・広汎に緊急地震速報を伝えることが出来るメディア」は
ほぼ現行のラジオ放送だけになる
ということになります。

携帯電話やインターネットも、通信回線を利用しているため、放送のように
無限の接続(受信)は出来ないんですね。通信トラフィックが急に増大すると、繋がりにくくなるのは
みなさんもよくご存知だと思います。「輻輳(ふくそう)」という現象です。
放送は一方的に電波を送っているだけなので、この輻輳は発生しません。

僕は地震学者ではありませんので何ら確たることは言えませんが
太平洋プレートでの大規模な地殻変動は、隣接する北米・ユーラシア・フィリピン海の各プレートに
通常よりも大きな応力を懸けているのではないでしょうか。
その意味で、今後東海・東南海・南海地震の発生に充分注意が必要ではないでしょうか。
その時、皆さんの生命や財産を守るのは、アナログラジオ1台かもしれないのです。

アナログラジオの受信機は、一台1,000円も出せばそれなりのものが買えます。
AMであれば、スピーカーで鳴らしても、単3乾電池一本でそれなりの時間聴けるはずです。
皆さん、どうか今のうちにラジオを一台用意して、日常的に聴くようにして下さい。
TVと違い、仕事をしながらでも聴くことが出来ます。BGM程度に無意識に鳴らしておくだけでも
緊急地震速報のあのチャイムが鳴れば、瞬時に気づくことが出来るはずです。
ラジオマンとして、皆さんの安全のために、強く強く提言差し上げます。

そして可能であれば、全国のラジオ局の皆さんがこの状況にいち早く気付いて
全国的にラジオの普及と、日常聴取を強く・大きく呼びかけて欲しいと願います。
私たちラジオ業界人ができることは、災害発生後だけでは無いのです。
どうか宜しくお願い致します。

2011年03月19日

●Keep Cool

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震災発生直後の弊社事務所と、節電により暗い木曜19時の青山通り。
もちろん今は事務所も綺麗に片付いています。

まず、今回の東北太平洋沖大地震により失われた多数の命に対し、そのご冥福をお祈りし
被災者の皆様の一刻も早い安全・安心の確保と、被災地の復興をお祈りいたします。

さて、東北太平洋沖大地震が発生して以降2回目の週末を迎えました。
会社的には、事務所は物が引っくり返って滅茶苦茶になりましたが、幸い人的被害は無く
翌日から業務を再開しています。業務案件の延期や中止による減収は厳しい水準ですが
現時点での試算ではなんとかなりそうですし、東京商工会議所さんなどが支援する旨
ご連絡を下さっています。
(中小企業の皆さん、震災に起因する資金繰りなどの問題は商工会に相談されることを
お勧めします。弊社もそうですが、会議所の会員である必要はありません。)
個人的には、自宅はウクレレと写真立てが引っくり返った以外は被害なし。
計画停電や物不足、ガソリン不足などは確かにありますが
被災地の方々のご苦難を思えば、そんなものは取るに足らない些事です。
既に英会話やウォーキングも再開し、仕事の締切を気にする毎日に戻っています。
ご心配頂いた方々、ありがとうございました。

そんな中、いまとても気になっているのが「怪情報の流布」についてです。
これについては、Twitterで書いたものを補筆・再編集して下記に記します。

最近僕の周りにも、チェーンメールや怪しげな情報に強く反応し、
大掛かりな行動を取ってしまう人が居ます。
残念ながら、どれだけ「その情報はヘンだよ」と指摘しても
次から次に新しい怪情報を仕入れてくるので、僕は途中から彼へのアドバイスを止めました。
最初彼がチェーンメールを回してきた時、その情報が誤っていることを
報道記事を引用して返信したのですが、彼は自分がチェーンメールを送った人に対して
「さっきの情報は間違っていた。証拠はこの記事。で、一方こういう情報があります…」と
情報修正のメールに、また別の怪しげな情報がくっついている始末だったのです。

確かに政府や東電などの関係諸機関が、全ての情報を公表しているかは分かりません。
ただその様子を拡大解釈し、政府やマスコミは事実を隠蔽している!と判断し、
本来彼らより遥かに信用度が劣る出所の怪しげな情報を信じてしまうのは非常に危険ですし、
驚くべきことです。

僕が今日までに得た怪情報は、軒並み尤もらしい「出所」が付いています。
曰く某大手新聞社の人。某大企業の社長。某官庁などなど…
じゃあ、その新聞社の人や企業の社長から直接話を聴いたのか、というとそうではなく
全て伝聞なのです。でもそこに信憑性を預託する人のなんと多いことか。
冷静に考えれば、その矛盾した思考に気付くはずなのですが、
この非常時…特に恐怖が伴う状態では、そうなるのも或る意味首肯できます。
彼らは良かれと思って怪情報を流布し、行動してしまう。
その根源に悪意はなく、それ故に心苦しい気持ちがします。

また怪情報に反応する人の多くは、それが煽る恐怖の根源について殆ど調べ物をしていない
傾向を感じます。ある怪情報には、原発のメルトダウンの可能性が80%…という記述が
ありますが、そもそもメルトダウンという状態は何を指すのか。放射線とはどんなものか。
それを調べないんですね。
別にプロ並みの勉強をしなくても、日本原子力学会日本放射線技術学会などが出している
一般向け解説を読むだけでもいい。それだけで過剰な恐怖は無用(勿論しかるべき用心や
対策は必要ですが)と分かるのです。
でもそれは調べずに、根拠不明の情報に引き摺られてしまう。とても残念です。
(ただこれに関しては、僕も「安心したい」との想いから、根拠不明の情報を
ツイートするなどしたので、大いに自省・自制が必要であると考えています。)

今朝、僕のごく親しい人物が西に疎開しました。その根拠が書かれたメールを見て、
Webの発達が齎した「玉石混交の情報の瞬時の伝播」の怖さと
「正しい情報、信頼できる情報を探すリテラシー」の大切さを感じています。
でもそれは、既に怪情報の虜である彼には伝わらないのです。
僕は彼の疎開を否定はしません。行動自体はより安全な方策ではあるからです。
ただそれが、量的な飽和…つまり多数の人々によるパニックにならないことを祈っています。
正しい情報を得る努力を前提として、いま数多流通する怪情報と向き合って欲しいと
思います。

家族を守るため、自分を守るため、恐怖感を持って慎重に行動することは大切です。
ただその恐怖はコントロールできなければいけません。
適度な緊張や恐怖は、能動的な対処を促し、必要充分な対策の原動力になると思いますが
恐怖に乗っ取られてしまうと、過剰且つ不要な行動になってしまうような気がします。
これは、いま首都圏で繰り広げられている買占め騒動と同じことかもしれませんね。

少なくとも首都圏はそこまで危険な状態ではない、と僕は考えています。
そこでパニックになるよりも、本当の被災地である東北の人々に、充分な救援物資と
暖かく、安心して休息できる場所を提供することの方が遥かに大切です。
皆さん、冷静に考え、正しい情報を集め、適切に行動できるように一緒に頑張りましょう。

最後に、希望を感じる歌をひとつご紹介します。
歌詞はこちらです。
皆さん、どんなに暗い夜にも、必ず夜明けは来ます。
春も、もうそこまで来ていますよ。

【以下はまったくの余談】

続きを読む "Keep Cool"

2011年01月24日

●思い入れって難しい。

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さて、今ある企画書を書いているのですが、これが随分難産になっています。
ネタが無いのではなく、考えが溢れだして、統制がとれないんですね。
内容は、地震に関する防災と生活再建についてのもの。
普段の仕事と違い、個人的に極めて思い入れが強くて
すっきりした企画にならないのです。うーん。

以前にも書いたかもしれませんが、僕は1995年の2月3日。
阪神・淡路大震災の発生からおよそ半月後に神戸に入りました。
大阪からJRで西に向かったのですが、武庫川を越えた途端にブルーシートを懸けた屋根が目立ち
代替バスの発車地である住吉に着いた時は、既に茫然としていました。

住吉の電柱に貼ってあった「見物客は帰れ」のメモ書き。
三宮駅前の歩道橋から眺めた想像を絶する光景。
その歩道橋の、携帯電話や工務店のビラに紛れていた「この震災は天罰」という宗教団体のアジビラ。
全てのガラス窓が破れた神戸新聞社と、その後ろを通るポートライナーの寸断された高架。
潰れた生田神社。落ちた阪神高速のランプウェイ。
三宮発のバスに乗る為に、物資を抱えて並ぶ数千人の人々。
そして最も衝撃だった、新長田駅から見た一面の焼け野が原…。

その後、福岡空港でのガルーダ・インドネシア航空機の離陸失敗事故
新潟の中越地震などの現場にも立ちましたが、あの時感じた衝撃と恐怖に勝るものはありません。
写真も録音も無いのに、16年前の景色をありありと思い出します。

あの年の秋、ある大企業に震災被災者救援の為の企画を提案したのですが
「この企画を実施するには、全社員がその重みを理解しなければならない」という理由で通らず。
僕の何か出来ないか、この企画で被災者の方々に手助けできないか、という必死の願いと
自社の事業所も大きな打撃を受け、複数の社員の方が亡くなったという事情を抱え、
それを軽々にひとつの広告企画として受け止めてはいけないという提案先の気持ちは
おそらく同じものであったと思うものの、当時は物凄く辛かったことを覚えています。

それ以降、数年に及んだ神戸での「定点観測」や、
中越地震の現場で調査を行った、メディアの大災害現場での機能事例とその分析などを経て
未だに自分の中で、ラジオマンとして出来ることを考え続けています。
時に自分が目指すべき方向性が分からなくなりかけた時は、当時の企画書を引っ張り出して
自分の指針にしています。

今回、ふとしたきっかけから前述の企画を提案する機会を得て
今度こそは自分の想いと、自分の会社が出来る社会への貢献を果たすものとして
何とか決めたい!と意気込んでいるのですが、その気持ちが空転気味なんですね。

どんなに高尚な理念を持っていても、それが具現しなければ意味はありません。
また、折角16年もずっと考え続けてきたテーマだからこそ、無駄にはしたくない。
ここをラジオのプロフェッショナルとして、どう整合させるか、自分のこれまでの経験が試されます。

私たち人間のひとりひとりが出来ることには限界があります。
しかし、メディアビジネスに携わる者の大きな利点として、沢山の人々に
防災の大切さと、罹災時の互助、生活再建の為の知恵を知って頂けるように
精一杯頑張りたいと思います。

あの日の、神戸での誓いがいつか形にできるように
諦めずに、自分の仕事の大切なテーマとして挑み続けたいと思います。

さあ、頑張るぞ!

2010年11月02日

●注目されるという重要性。

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メディアは自身の価値に敏感であるべきですね。

さて、今日は「週刊 日経トレンディ」年に一度のロケ収録。
ANAインターコンチネンタルホテル東京で行われた、日経トレンディ12月号の恒例企画
「2010年ヒット商品ベスト30」及び「2011年ヒット予測ランキング」の発表会に行ってきました。
15時の情報解禁とともに、Yahoo!のヘッドラインなどで発表されましたし
各テレビ・新聞などでも報道されるでしょうから、皆さんが目にされる機会は多いと思います。

1987年の日経トレンディ創刊以来続くこの企画は、今や在京テレビ全局が取材に来るほどの存在。
渡辺編集長は発表会のプレゼンテーターを務めた後は各局のインタビュー取材に八面六臂。
僕ら「週刊 日経トレンディ」取材班はかなり待ちぼうけ待機しなければならないほどでした。

この発表会の盛況を眺めながら、二つのことを考えていました。
自戒とその備忘を兼ねて、以下に書き連ねます。
(すごく長いです。ご興味のある方は続きをどうぞ)

続きを読む "注目されるという重要性。"

2010年10月01日

●10月になりました。

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神無月だから、でしょうか。この僅かな時間に幾つかのお別れを経験しました。

10月1日を迎えるとともに、名古屋のRADIO-i(愛知国際放送)が停波・閉局しました。
1951年9月1日、午前6時30分。
「JOAR、JOAR。みなさま、おはようございます。こちらは名古屋のCBC、中部日本放送でございます。」
このアナウンスから、日本の民間放送の歴史が始まりました。
そして、21578日と17時間半を経て、同じ名古屋の地で、初めて民放局がその灯を消しました。
最後の音楽、そして最後のクロージングアナウンス。その終了2分後に始まる永遠のノイズ。
おそらく最後は、主調整室(マスター)を落としたと思うのですが、それを見守ったスタッフの心中は
如何ばかりのものだったでしょうか。

意外ですが、民間放送の歴史はまだ59年と1か月しかありません。
そのうち、僕が民間放送の世界で仕事をしたのが17年と6か月。
三分の一、歴史を共有しています。

僕がこの世界の最初の一歩を踏み出した時、既にバブル経済は弾けていましたが
まさかこんな瞬間を迎えるとは、正直思っていませんでした。
僕らラジオマンは、否、放送人は、今日から新しい時代を迎えたと言えるでしょう。
関わったことの無い局の終焉ですが、感慨は想像以上のものがあります。

僕らが、民放ラジオ最後の世代とならないように
もっともっと考えて、もっともっと工夫して、もっともっと努力して
沢山の人々に必要とされ、愛されるメディアとして輝けるよう前進しなければなりません。

一方で、僕が取締役を務めていた会社が、本日旧オフィスを引き払いました。
午後から夕方まで、その手伝いに行きました。
辞任まで机を置いていたオフィスは、もう在りません。
がらんとしたフロアを眺めて、そこに居たスタッフの表情や、そこに在った思いが残っているようで
少しだけ、遣る瀬無い気持ちになりました。

その他にもふたつ、自分の中で大切なことがありましたが
それは自分の胸の裡に秘めて、いつか最終処理をしたいなと考えています。

感慨に鹹めとられては、前に進めません。
前途が厳しくとも、気概を以って、笑顔で頑張りましょう。
それぞれのお別れが、それぞれに意味があったと言えるように。

出会いがなければ、別れも無いのだから。


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今日選んだ時計が、民放の歴史とほぼ同じ
オリエントの60周年記念モデルだったのは、多分偶然。

2010年08月21日

●プレゼン!

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暑くて仕方が無かったので、帰社してから普段のカッコに着替えました。

さて、今日は朝イチから丸の内のお客様のもとへ。
弊社にとって、下期最大級の目玉となる筈の案件の社長プレゼンだったのです。
久し振りに戦闘服(…要はスーツです)に身を包み、企画書と資料で武装して出撃。
朝、家を出たときから、日本海海戦時の名檄文が頭を駆け巡っておりました。

弊社はProject Boutiqueというテーマを営業上の重要な概念として掲げています。
広告代理店の戦略立案の機能と、番組制作会社の戦術執行の機能を単体で提供し、
尚且つメディアの産業構造を熟知した上で、顧客への最適解を追求するという考え方を
社のチャームポイントにしているんですね。
この力を担保するために、弊社は手掛けるメディアも顧客数も絞り込んでいます。
自信が持てない領域に手を拡げ過ぎると、この概念が崩壊してしまうので。

で、特に今回は企画立案にあたって、顧客だけでなく、顧客の属する産業領域の
最新動向や今後のトレンドなどを分析することにかなり力を入れ、単なる番組提案に
留まらず、それが顧客の様々な課題解決にどのように寄与できるかを繰り返しシミュレートしました。
非常に難しい課題でしたが、幸いにも良い企画を立案することが出来たと思っています。

メディアも、代理店も、制作会社もそれぞれの事情や利益を考えますから
それぞれを漫然と積み上げると、実は結構コスト高になってしまいます。
勿論、それによって良いものが出来ることも多々あるのですが、元メディア企業社員としては
それが広告不況を招いたような気がしてならないのです。
ここには書けませんが、例えば放送局の番組制作費の考え方というのは、
広告主が考えるそれと決定的に違う部分があります。(興味のある方はお尋ねください)
商売である以上、それはある程度は仕方が無いのですが、行き過ぎると顧客の為にならない。
だからこそ、弊社のようなProject Boutiqueが意味と意義のある企画を提案できると考えています。

今回の提案を採用して頂けたなら、弊社のそんな哲学の一端が理解して頂けた、と
またちょっとだけ胸を張れるような気がするのです。

ITの進化は、メディアビジネス・広告ビジネスに巨大な地殻変動を齎しましたが
既得権益を奪われる恐怖から、従前のメディア企業はIT企業やそのサービスを無視・矮小化したり
時として世論操作で悪玉扱いしてきた部分があることは否めない事実だと思います。
(ここも、かなり曖昧な書き方にしちゃってますが…この辺を読んで、ニュアンスを掴んで下さい。)

ただ、本来これらの新興勢力に向き合うには、メディアが消費者や広告主に対して
本気で研究し、効果的なコンテンツを提供できることを証明する方が正しい筈なのです。
少なくとも制作費が無いからという理由で、雛壇に芸人を並べてはいおしまい…みたいな事では
メディアがこれまで如何に保護された環境下でぬくぬくと生きてきたかを見透かされるだけです。

メディア企業には、優秀な人材が豊富に揃っている筈です。
だからこそ今、自社のコンテンツだけでなく、顧客のことを徹底的に研究し
それぞれの課題をきちんと解決しつつ、尚且つ両者が適正な利益を確保できるような
そんな企画立案を目指していかなければいけないのでは?と思います。

そして、それを具現する「メディア側の新興勢力」として、株式会社SEVENを育てて行けるように
僕自身がもっともっと、頑張っていこうと思います。
弊社の顧客は広告主だけでなく、メディアも、広告代理店もその範囲に含まれます。
それぞれの課題を熟知し、それぞれに全力で向き合い、矛盾を克服することが
弊社のミッションです。なので皆さん、どんどん僕らを試してみて下さい。話をしてみてください。
それに応えられるよう、驚いて頂けるよう、一所懸命研鑽しています。

どうか今回の提案が、ビシっと決まりますように!

2010年03月14日

●Radiko、始まる!

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ラジオの面白さを、オフィスでもリビングでも!

さて、在京・在阪のラジオ局13社と電通による「IPサイマルラジオ協議会」が立ち上げた
ネット上でラジオ放送が聴けるサービス「Radiko.jp」が遂にスタートしました。

※Radiko.jpについてはこちらの記事をご参照下さい。

現在物凄く混んでいて、Twitterで「Radiko」で検索すると、
「繋がった!」という喜びの声と「聴けねー!」という怨嗟の声が飛び交っております。
僕もIEとChromeでリロードしまくって、やっと繋がりました。

国内に推定で2億台以上もチューナーがあるにも関わらず、実際に習慣的に聴いている人は
周りに居ない…というラジオの現状が、これによって変化していくことを切に願います。
ラジオってとっつきにくいメディアかもしれませんが、聴くとホントに面白い。
是非皆さんもお試し下さい。
ラジオは動画サイトと違い、ドキュメントを編集したり、メールを書いたり読んだりしながら
完全接触できる、PCユーザーには最適のメディアです。

とは言え、現時点でこのサービスを享受できるのは、首都圏・関西圏の一部エリアのみ。
ラジオの電波が受信し辛い大都市圏の、聴取環境改善のためのサービスだから…というのが理由ですが
実際には著作権や著作隣接権等の処理の問題などもあるのでしょう。
これは時間の経過により、徐々に解決していくのではないかと思っています。

現在のサーバの混み具合、或いはTwitterでの盛り上がりを見ていると、
結果的には正しい選択だったのかなと思いますが、それでも、もっともっと
対外的に宣伝しなければパイ(聴取人口)は増えないのでは、と思います。
ラジオでRadikoの告知をしたって、ラジオを聴かない人には届かないもんね…。

また、首都圏の人は首都圏の、関西圏の人は関西圏のラジオしか聴けないという問題も
できれば突破して頂きたいところではあります。ラジオで聴くローカル情報って
凄く興味深く、その地域に思いを馳せる最高のコンテンツだと思うので…。
ただ、そうなると各ローカル局の媒体価値が、在京局のコンテンツによってスポイルされる
可能性もありますから、一概にいいことばかりではありませんしね。
うーん、いろいろ難しいな。

まあ、その辺は今後考えていくとして。
とりあえず、Radikoお奨めです。みなさんも聴いてみて下さい。
このサービスのために尽力されたラジオマンの皆さんに、心からの敬意を表します!

2010年02月10日

●とうとうここまで来たか。

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本文とは関係ありませんが、デジカメで撮ったよシリーズ。
ハミルトンのマウント・ヴァーノンです。
Valjoux7750のローターがぶりんぶりん廻る感覚が非常に楽しい一本です。

今日はブログ更新のネタは特に無いね…と思っていたら
Yahoo!ニュースに驚きの記事が出ておりました。以下引用します。

<朝日新聞>大分、佐賀県で夕刊廃止 3月末で(毎日新聞)

朝日新聞社は大分、佐賀両県で発行している夕刊を3月末で廃止する。
10日付朝刊の社告で発表した。「読者のライフスタイルや要望の変化」に伴う対応で、
夕刊掲載のコラムなどは朝刊に掲載するとしている。日本ABC協会によると、
同社の両県の夕刊部数は昨年12月現在で、大分県4679部、佐賀県765部。
                               (引用は以上です)

驚いたのは天下(部数的な意味です)の朝日新聞が夕刊を廃止すること、ではなく
現時点での大分と佐賀の夕刊発行部数です。
佐賀の765部って…フリーペーパーよりも酷い数字ではないでしょうか。
確かに九州は、ブロック紙の西日本新聞や県紙が強い土地ではあるのでしょうが
それにしたってこの数字は事業として成立するものではないでしょう。

広告不況に喘ぐ4マス(TV・新聞・雑誌・ラジオ)の中でも、新聞はかなり厳しい状況ですが
その衰退の原因は、記事中にある「読者のライフスタイルや要望の変化」だけでは
ないのではないかと考えています。
この記事を書いたのも新聞記者さんですから、そのように結論付けたいのかもしれませんが。

ネットが発達してメディア状況が大きく変化したものの要因に、「世論のクラスター化と高速伝播」が
あるのではないかと僕は個人的に推測しています。
新聞、或いはメディアが「代弁する世論」は、かつてマスの意思として受け止められ、
且つマスはその「代弁された世論」に意思を影響されるという相互関係にあったのではないかと。
ところがネット上で見知らぬ人々がニュースを議論できるようになると、
実は「マスの世論(サイレント・マジョリティ)」は観念的な存在でしかなく、
「サイレント・マイノリティ」-この場合は、数量ではなく観念的な対義語として-の発言が
目立つようになり、「世論のクラスター化」が起きたと考えます。
しかもそれがブログやTwitter、コミュニティサイトなどで高速伝播すれば、
「マスの世論」が形成される前に対立、或いは分化する意見として存在感を出していく-。
結果何が起きるかというと、マスの世論に違和感を感じるサイレント・マイノリティが
自身の感覚を確定させやすくなるので、メディアへの懐疑心・反発感を持ってしまうんですね。
ちなみにここでサイレント・マイノリティはラウド・マイノリティに変化するとも考えられます。

民主主義の下僕として、権力機構のチェック機関である筈のメディアが充分に信任されない。
その結果としての「新聞離れ」「TV離れ」「メディア離れ」が起きているように思えます。

少数意見が無視されない、このようなネット上の議論の拡大は歓迎すべきだと思いますが、
一方でマジョリティとマイノリティ(或いは対立する概念)の数的比較はネット上では
出来ないことにも留意すべきです。ネット上で目立つ意見が真のマジョリティとは限らないんですね。
例えば世代ごとのネットのリテラシーの差は当然織り込む必要がありますよね。
(…とは言え、PCのネットユーザーは40-60代が一番多かったりするんですが)
そこを例えば数値化・可視化できるチャンスが、株価だったり選挙結果だったりするのでしょう。
その意味で、これまで以上に市場や選挙の価値や意味は重くなるような気がします。
そして、自立した価値観を持ったという矜持があるのなら、それらに積極的に参加することが
ひとりひとりに求められるように思います。

長々と書きましたが、今後メディアはその部分を留意する必要があり、
また権力を持つ人々は、世論を操作するという意図を実現し得ない時代になったことを
意識する必要があると思います。

限りなく黒に近いグレーは黒。
その辺、意識した方がいいと思いますよ…(誰に言ってんだかw)

【拙ブログの関連記事】「情報は人を幸せにできるのか。」(2007年9月11日)

2010年02月08日

●新鋭機材を投入!

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これでだいぶんラクできます。

さて、これまで弊社にはラジオ番組の編集機材(ただのPCですが)はありましたが
収録機材がありませんでした。契約先のラジオ局に行って、スタジオで撮っていたからです。
ただその中で、ちょっと辛かったのが自分の番組(Salus Beat Pressという番組です)の収録。
横浜市は市ヶ尾にあるFM Salusのスタジオは、自宅を挟んで生活圏の反対にありまして
土曜日のレギュラー番組の収録後、
一旦自宅に戻ってCDやら資料やらを掴んで、再度市ヶ尾に出掛けて収録していたんですね。
これが意外に辛かったのです。

で、今回思い切って株式会社SEVENのオフィスにミキサー等を入れて
収録環境を整えました。先程やっとセットアップが完了。
これで自分の番組の収録だけでなく、簡単なナレ録りなどは自社で出来るようになりました。
以前は防音されたスタジオと、業務用の音響機材が必要だった音声収録が
PCのおかげで、多少プアな環境でもオンエアに耐えられる音質でできるようになったのは
まさにIT化さまさまといった感じ。
更に手許に無い音源はiTunesとかで直ぐに購入し、制作した番組はFTPで局に納品。
6mmのオープンリールを使っていた時代が本当に懐かしいものです。

で、安い民生品(ホントにこの10年でアホみたいに安くなりました)でシステムを組んで
ホクホクしていた時に考えていたのですが、これって誰でも番組制作能力を持てるということで。
別に音声コンテンツだけでなく、動画だって簡単にHD画質で撮って、PCで編集して
Youtubeなんかでコンテンツをアップすることが出来る訳できますし、ミュージシャンは
自宅で録って、マスタリングして、iTunesとかで配信販売できるからレコード会社要らず。
そりゃ放送局やらレコード会社が苦しくなる筈です。
「機材や設備を持った、限られたプロ集団しか創れない」コンテンツが随分減ってしまい
旧態依然とした既存メディアより、気の利いた「アマチュア」の方が
良いコンテンツを創れたりするのですから。

IT化の波は、流通や通信など様々な産業領域に大きな影響を及ぼしましたが
大手企業と個人の力量差が狭まり、最も強く変革を迫られたのは、まさにコンテンツ業界ですよね。
これにいち早く対応し、身軽で、且つセンスのある集団に変化しなくては
既存メディアやその周辺の制作業界なんて、図体ばかりが大きい独活の大木になっちゃいます。

滅び行くメディアに縋る零細企業、ではなく
新しいメディアの在り方を、メディアと共に創造できる新興勢力として、技量を磨きたいものです。
どんどん面白いもの作って、がんばるぞー!

あ、音声コンテンツのご発注は、安くて早くてウマい株式会社SEVENへどうぞ!(営業。)

【本日のおまけは公開終了しました!】

2010年02月01日

●久しぶりに業界の話題を。

最早在京TVキー局ですらうかうか出来ない程の広告不況。
新聞や雑誌もかなり酷いようですが、やはり気になるのはラジオ業界。
TOKYO FM率いるJFN系列38社でも、赤字に苦しむ局はかなりの数に上るとか。
これだけ消費者の志向が拡散してしまえば、確かにマス訴求なんて無理なのでしょうが
それ故に在京の雑誌社とラジオ局は、クラスター化を進めることで何とかならないのかなと
思っています。
ITによって制作コストや管理コスト(金銭的にも人的にも)はかなり下がっている筈ですから
体制の縮小と、アメリカのようなフォーマット編成の導入で行けるのではないでしょうか。
勿論、今のように高いお給料は期待できませんけどね。遣り甲斐はあるんじゃないかと。

で、昨年夏頃から経営危機が噂になっている某ラジオ局。
出資を検討していた企業が手を引いた、というニュースをキャッチしたので調べてみたら
出資予定企業自体が昨年の10月下旬に設立されたばかりの会社。
業務内容はまあいいとしても、設立して2ヶ月位で全然関係ないラジオ局に出資するとか
しかも出資額が自分の会社の資本金の3倍以上とか、なんだか怪しさ満点。
民放ラジオが公器だとは思いませんが
意図が不明確な出資者に依存するくらいなら、潔く畳んでしまった方が良いと思います。

弊社の近くに鈴木亜久里さんの事務所があるのですが、
彼のチームが怪しげなスポンサー企業に振り回された事件を思い出しました。
貧すれば鈍する、という言葉は厳し過ぎるでしょうか。

とは言え、このラジオ局は、元は地元に愛された局だったと記憶しています。
地元財界には立派な会社が沢山ありますが、どこか救いの手を差し伸べてくれませんかね。
もし負債処理の目処(cross fm破綻時の負債より随分軽いようですよ)が立つならば、
手弁当でも結構ですので、再建のお手伝いをさせて頂きたいなぁ、なんて思うのですが。
若輩ですが、意欲とネタはありますよー。

2009年12月02日

●確かに。

際限なく増え続ける新メディア。
特にアナログの地上波テレビ放送が終了した後、空いたVHF帯域では
様々なマルチメディア放送サービスが計画されていますね。
デジタルラジオ放送も然り。

で、それに対してこんなコラムを見つけまして。

アナログ跡地の「携帯向けマルチメディア放送」は誰が何に使う?(IT-PLUS)

筆者のご見解に、ある部分で非常に納得した訳です。

僕はラジオ局員であった頃から、デジタルラジオ反対派です。
メディアばかり増やしても、肝心のパイ(需要人口)が増えなきゃ意味がないので。
1940年代後半から70年代の、民間AMラジオ放送、テレビジョン、FMラジオ放送。
そして1980年代のCATV、衛星放送、1990年代後半からのインターネット。
もうこれでお腹いっぱいじゃないでしょうか。
しかもその陰には、CAPTAINとかモバHO!とかBSデジタルとか衛星デジタルラジオとか
死屍累々たる「新メディア」もありましたよね。

超高額の資本投下に対して、利益どころか回収すらままならぬまま消え去ったメディアを
振り返ると、そこに共通するのは「理屈でメディアの魅力を打ち出そうとした」こと。
この新メディアがあれば、どこでも高音質&高画質のコンテンツや文字情報を…なんて
リロセイゼンとメディアの魅力を打ち出すのですが、それじゃ辛いと思うのです。
始めにコンテンツから入らなきゃ。そして、そのコンテンツの魅力を最大限引き出せるのは
このメディア、みたいな順番で訴求するべきだと思うのです。

ハコ(メディア)を作れば商売になる…そんな甘い時代では無いと思うのです。
まずは、足元の本業を頑張りましょうよ。不景気ですし。
特にラジオ業界については、まずラジオ自体の復権を目指してから、違う領域を
目指して欲しいな、と強く思います。

ラジオ復権なんて無理だよー、とのたまう御関係者もいらっしゃるかもしれませんが
iPodにFMチューナーが付いたのには、ちゃんとラジオに価値があるからですよね。
検索をしなければ、或いは誰かからその存在を教えてもらえなければ、新しい音楽に
辿りつけない…というネットでの音楽流通の最大の弱点に対する解答を、ラジオは持っている筈です。
ラジオなら、音楽との偶然の出会いを演出できるんです。

僕がかつてラジオでJUDAS PRIESTやACCEPTに出会い、メタル人生(笑)を送ったように。
ラジオは、人生の岐路(大袈裟ですが)すら演出できるメディアなのです。

ラジオが楽しいから、もっとそれを楽しみたいから。
そんな声に応える為にデジタルラジオがスタートする…。
そんなステップを踏んで欲しいし、そんな姿勢で日々の番組創りを頑張ろうと思います。

ラジオはオールドファッションではありません。
ラジオで働く人がオールドファッションになりかけているのではと思います。
業界のみなさん、頑張りましょう!

【21:50追記。】

忘れてた!グラスヒュッテのムーブ(Cal.39-31)の写真撮ってみました。

cai39-31.JPG

今回、やっとまともに撮れたと思うんですが、これでも見えにくいですね…。
凄く綺麗なのですが(特に地盤が。)

gose.JPG
ちなみに表はこんな感じです。

2009年10月13日

●久しぶり過ぎてごめんなさい。

l_photo3s.jpg
INSPiの情報は公式サイトでご確認下さい。

気がつけば3ヶ月近くもこのブログを放置しておりました。
その間ご迷惑をお掛けした皆様、本当に申し訳ありませんでした。
本日より、ぼつぼつと更新を再開したいと思います。
そこで今回は、最近のお仕事を皆さんにお知らせしたくエントリーします。

私の会社、株式会社SEVENでは、この10月より
新番組「INSPiのレディオ☆プラザ」の放送を開始いたしました。
日立グループCM「この木なんの木気になる木」のCMソングでもおなじみの
ヴォーカルグループ・INSPiを起用し、九州・博多にあるとあるホール(パチンコ店)を
舞台に、笑いあり・涙ありのヒューマンコメディを繰り広げる内容です。
昨今復活の兆しを見せるラジオドラマをより進化させ、ヴォーカルグループならではの
往年のヒットソングの歌唱をふんだんに盛り込み「ラジオ・ミュージカル」として
平日・退勤時にホッとできる物語をお届けいたします。

新番組:INSPiのレディオ☆プラザ
2009年10月5日(月)スタート 番組サイトはこちらです。

放 送 局:cross fm(福岡県)
放送日時:月曜日から金曜日 17:47-17:57
ご提供社:宣翔物産様
出  演:INSPi(ワタナベエンターテインメント)
企  画:松清一平(ホスピタブル
脚  本:大隈いちろう
制  作:縫  崇(SEVEN)
技  術:女鹿田陽(メカデン)

この番組は、現在TOKYO FM系列で人気を博している
NISSAN あ、安部礼二」への、僕なりのアンサー企画だったりします。
安部礼二が立ち上がった時、僕は「SCHOOL OF LOCK!」の担当をしていて
この企画には参加できなかったんですね。
で、この番組が物凄く人気を得て、成長していくのを見ていて、嬉しく思うのと同時に
「俺だったらどうする…?」と考え続けていました。

ラジオ番組、特にこのようなドラマ番組は、エンターテインメント性が第一なのは
当たり前なのですが、それと同等か、或いはそれ以上に「広告媒体」としての
機能を持たなければなりません。
通常のDJ番組などよりも高額の制作費がかかるのであれば、尚のこと。
番組を提供して下さるスポンサーさんが「提供してよかった!」と思って下さる
意味と意義のある「民間放送のラジオ番組」を創らなければいけないのです。

その部分で、ラジオマン・或いはプランナーとして考察した結果を
この「INSPiのレディオ☆プラザ」に投入しています。
果たしてどの辺が、僕なりの考え方なのか。
それは次回以降のエントリーでご紹介して参りたいと思います。

ラジオ広告が、その力量を試されているいま
この番組が、自分のラジオマンとしての評価に直結すると考え、頑張りますので
皆さんもぜひお聴き下さい!

2008年02月19日

●いいこと悪いこと。

ginza4.jpg
夜の銀座で溜息モード。

さて、本日は午後から往訪打合せが連発。忙しかったですよー。
1月から地道に仕込んでいた、新年度の提案が花開きつつあるからです。
特に先週後半以降、続々と案件のご決定を頂いております。
次年度の目標予算の内、昨年実績に積み増す分はほぼクリアできた感じ。
つまり、ここからは昨年と同じ頑張りを出せば予算達成出来る計算です。

本日も、汐留の超大手広告会社さんと或るプロジェクトのお打合せをしたのですが、
先方は既に弊社をアサインすることを前提にお話を進めて下さっておりました。
また、6月からの事業であるにも関わらず、3月から初期企画費としてアカウントを立てて
下さるとの事で、もう感謝感激です。本当にありがたいことです!頑張ります!

(以下は長い上に物凄く愚痴っぽいので、興味の無い方はスルー推奨です。)

続きを読む "いいこと悪いこと。"

2008年02月18日

●新しいお仕事始めました。

meishi.jpg
この名刺は僕にとっては重い。でもその分楽しみです!

さて、本年1月10日のエントリーで少しお話した「あること」。
いよいよ始動しましたので、皆さんにもご報告差し上げます。

4月4日発売の「日経トレンディ」5月号(日経ホーム出版社)より
同誌にて連載をスタートさせて頂くことになりました。
現在、その準備を行っております。(内容はまだナイショ。)

これまでずっと放送の世界で働き続け、出版の世界はインタビューに答えたり、
ちょっとしたコラムを書く以外は未経験だったので、最初のトライがいきなり
日経トレンディという人気雑誌(実際どこのコンビニでも売ってるもんなぁ。)と
なったことは大変プレッシャーではあります。しかし、同時に大変意気込んでもいるのです。

コンテンツを電波に乗せて皆さんにお届けする放送の世界は、一生の仕事として
大変魅力的なものでありますが、「創ったものが残っていく」という出版物の
アーカイブ性は、同録を用意しなければ消えてなくなってしまう僕らの世界には無い
魅力を持っています。それ故に、いつか挑戦してみたい憧れの仕事でした。
このチャンスを下さった同誌の北村編集長には、どれだけ感謝しても足りないくらいです。
また、その北村編集長と僕を結んでくださったラジオNIKKEIのKさんにも感謝差し上げます。
一所懸命努力して、読んで下さる方の「智の血肉」になるような記事を書きたいと想います。

今日、担当編集のMさんから取材用の名刺を受領しました。
昨年は「会社役員」・「ラジオDJ」・「放送作家」等の新しい領域に挑戦しましたが
今年は更に「雑誌記者」ともう一つ、新しいお仕事を始める予定です。
僕を表す「記号」が一つずつ増えていくと同時に、廻りの皆さんから頂くご期待も
大きく、重くなって来る筈ですが、その期待に応え、しっかりと結果を出したいと決意しています。

随分欲張りな30代を過ごしておりますが、たった一度の人生。
これを楽しんで前に進みたいと思います!
なので、4月から日経トレンディ買ってください!(←また営業。)

2007年11月28日

●戦う意志。

mediapresen.jpg
露出がダメですが、会場の模様。

さて、本日は紀尾井町のホテル・ニューオータニで会合。
古巣TOKYO FMのメディア・プレゼンテーションに行ってきたのです。
このメディア・プレゼンテーション(社内略称メディプレ)は、年に一度・この時期に
広告主や広告会社の方、レコード会社やプロダクションなどの事業パートナー、そして
JFN各局の要人など1,500人近いゲストを迎えて実施する、全社挙げての事業プレゼンです。
勿論、TFM在籍時には担当させて頂いておりました(笑)

初めてゲストとしてメディプレを拝見したのですが、今年のそれは非常に良い出来でした。
特に事業紹介VTRのアイテム選択が非常に適切で、しかも魅力的であったこと。
TFMの持っている力量を、良い形でゲストに紹介できたのではないでしょうか。
スタッフみんなの頑張りを素直に感じ取ることが出来る、素敵なプレゼンでした。
みなさん、本当にお疲れ様でした。やっぱメディプレは大事業だよ…。

1時間ほどのプレゼンの後は、会場を隣のバンケットルームに移して懇親会。
僕の本日のお目当てはこちら(お酒や食事じゃないよ!)。
酒食を楽しむゲストの皆さんは、僕らからすれば須らく「クライアント候補」なのです。
走るように会場内を回り、TFM時代にお仕事をご一緒させて頂いた方々にご挨拶。
広告主さんも、代理店さんも、メディアさんもみんな興味深くお話を聴いてくださいました。
中にはその場でアポイントを決めて下さったり、一度きちんとお話を伺いたい!とご希望頂いたり。
一番嬉しかったのは、かなりの数の方が「名刺ちょうだいよ!」と話しかけて下さったこと。
今や大手メディアのカンバンを持たないインディペンデントの僕に対して、
予想以上の方が興味を持ち、声を掛けてくださったのです。

某麹町の衛星デジタルラジオ会社・MBのN社長ともお打合せさせて頂くことになりました。
(えー、事情をご存知の方はここで笑わないように!)
立場が変われば話も変わります。がっつり営業しますよっ!

考えたら、こんなに沢山の方々とお仕事してたんだ…と驚くくらい
会場を埋めたゲストや関係者の皆さんはお知り合いばかりでした。
この方々にエアフレイムの名と仕事をあまねく広め、知って頂き、使って頂けるように。
東京の、そして全国のラジオを中心としたメディア業界にしっかりと足場を築けるように。
気を抜かず頑張って行きたいと思い直しました。
また明日からもガンバるぞーっ!

…苦しいことも沢山あるけど、やっぱり僕はベンチャーの仕事が大好きです!

2007年10月09日

●プロ論と価値観。

さて、本日は告知から。
いよいよ今年もえふえむ FESTIVALがスタートしました。
皆さんのお近くのエフエムラジオ局のオフィシャルサイトを是非のぞいてみてください。
38局+全国版の39サイトを、今回は制作させて頂きました。
事務局としてのプロジェクト統括業務も、頑張って進めさせて頂いています。

そのオフィシャルサイトを制作したのは、弊社を代表とする3つのベンチャー企業。
いずれもTFM出身か、TFMと取引がある会社です。
えふえむ FESTIVALの仕事をする、というのがどういう意味かをよく理解し、
それぞれが最高のスタッフィングを行い、最強のフェスサイト制作チームが出来ました。

アクセスが集中してサーバが落ちそうになったり、細々としたミスはありましたが
無事、番組オンエアと併せて予定通りにローンチすることができました。
外的要因による圧倒的な時間の制約・作業の制約を受けながら、
自身のプライドと誠意に懸けてきっちりと結果を出した皆さんに、心からの敬意を表します。
確かに信頼できるスタッフを集めた積りでしたが、正直ここまで素晴らしい作業が
為されるとは、予想していませんでした。

しかし、全国で数百人のスタッフが参加するこの大型プロジェクトにおいて
最も苦労するのが各局のモチベーションと足並みを揃え、真っ当に作業を進めること。
全国のFMメディアの祭典であるこのプロジェクトの遂行を妨げるのは
クライアントでも、エージェンシーでも、社外スタッフでもなく、
メディアのスタッフ(局員)であることがままあります。
今年初めて、ラジオ局員ではない資格でこのプロジェクトに参加しましたが
そのことに慄然としました。そこがボトルネックになっているなんて…。
(勿論、無茶しないで下さい…という程、熱く頑張って下さる局の方も沢山居ますョ!)

えふえむ ふぇすてぃばるって、ラジオ局のプロジェクトなんですけどね。
そしてそのプロジェクトは、ラジオのリスナーに届ける為のものなんですけどね。

今や「社外のヒト」になってしまった僕が、やきもきするものではないのでしょうが…。
それでも、こんないちプロジェクトを通じて、ラジオメディアの危機を感じてしまうのです。

お給料を貰っているから、プロなのか。
プロだから、お金を貰って仕事をしているのか。
メディアのプロが最も大事にするべきものは、なんなのか。

このプロ論と価値観の狭間で悩んでしまう、秋の夜更けでした…。

※検索避けの為、一部文言を修正しました(1105)

2007年10月03日

●10月に入ったので徒然話。

ここ東京では、10月に入った途端に一気に涼しくなりました。
皆さんの街はいかがですか?

気候が良くなったからでしょうか?ここ数日進捗が不安だった仕事がぼつぼつと解決し、
予想以上に予定通り(ヘンな日本語だな)にことが進んでいるのでほっとしています。
忙しいのは相変わらずなんですがね。

どうでもいい話なのですが、一昨日に会社の名前を思いついたんですよ。
独立するならこの社名!って感じで。(ippeichanの会社なんかよく考えてるよなぁ)
ところがです。気付いてしまったのです。
その思いついた社名って、語呂があるアメリカの会社とまったく同じだった…。
どうりで耳馴染みがいい訳だ。これじゃ駄洒落だよ。ぶひー。

今日は汐留の某代理店で、大阪のAMラジオ局の新番組の企画打合せ。
なんにも考えずに行ったのですが、スパっと企画が出せたので良かった良かった。
上手く話が進んで、エアフレイム関西進出の足掛かりになってくれれば、と。
今回は、企画だけでなく番組制作やSP制作にまで話が広がって居ります。楽しい。

将来的に、僕が目指すのは「Project Boutique (©Takashi Nui 2006)」です。
これは弊社サイトの会社案内にも記述している僕の造語なのですが、
この言葉こそが、21世紀のメディアビジネスのキーワードになる(したい)と思うのです。

今やメディア・コンテンツ・伝送経路(通信とかネットワークと言い換えてもいいかも。)
といったメディア関連産業は、その機能面において極端に細分化しています。
昔は四大メディアは最大のコンテンツクリエイターであり、伝送経路も少なかったのですが
ITや衛星波、ケーブル、ユビキタス技術などが進化したのを契機に、
元々メディアが持っていた機能を誰でも持てるようになったんですね。
ところがそれらの新しいメディアや伝送経路はコンテンツ制作能力に欠けていたり、
逆に既存メディアは既存メディアで産業の空洞化を起こしてやっぱり制作能力がない。
コンテンツに関するものならなんでも包括して持っている集団、というのが減ってきた。
しかも、消費者の動向や技術の進化により、メディア自体のトレンドも急速に変化するから
出来るだけ自前のメディアは持たずに、さっさとどんなメディアにも対応したい。
そうすると、制作能力を持つ集団がこの世界で(相対的に)力を持って来る訳です。

ところが、ここで勘違いしてはいけないことがある。
ただのプロダクションでは力を持てない…という部分に気付かなければいけない。
これまで四大メディアは、メディア企業が圧倒的な力(経済にしても政治にしても)を持ち
プロダクションは「外注先・下請け」としてただ実働部分を担当するだけ。
メディアにトップオフされた安い制作費で、際限なく生産活動を請けていかなければならない。
好きだからこそやれる仕事は、好きじゃなければやっていけない仕事、になっているのです。

これに対抗するには、メディアプロジェクト(現状の広告コミュニケーションは、ほぼ全てが
何らかのメディアを組み込んで行われるので、僕はこのように表現しています。)の
上流工程を握ることが出来ないといけない。
企画・スタッフィング・キャスティング・予算管理・ライツ管理…。
予算が細分化される前に、それを仕訳ける作業に参加する、ということですね。

その上で更に、中流工程を受け止める力も必要です。
コンセプトワークやプロデュースだけでは、実働に関するアカウントを取れないからです。
フレーム制作に関わることで、プロデュースフィーにプロダクトフィーも預かる。
そうすると、一案件で得る予算が一気に拡大するじゃないですか。

だけど、下流工程までは手を拡げず、管理に徹する。
世の中には優秀なフリーランサーやプロダクションが沢山ある訳です。
それをLLC的に、流動的かつ機動的に活用すれば良い。
獲得予算に応じて利益率をコントロールする為には、労働集約型の作業は
自社内コストとして持たない方が良い。

そうすると見えてくるのは、プロダクションではなくProject Boutiqueという形なのです。
メディアプロジェクトの「上流と中流」の2工程を包括する制作集団。
具体的には、プロデューサーとアシスタントプロデューサーで構成される集団。
勿論メディアを持たない分、全てのメディアに対応し得る力量も問われますが、
それはスタッフィングと経験値で解決できるのではないでしょうか。

僕がエアフレイムで目指すもの。そして最後に独立して目指すもの。
それは上記のような仕事が出来るProject Boutiqueなのです。
一朝一夕で創り得る集団ではありません。特に起業初期においては、
力のあるプロデューサーが複数ラインナップされなければなりませんが
幸い僕の周りには驚くほど優秀な人たちが居てくれます。
この人たちといつかアライアンスして、最強の集団を作りたいなぁと思っています。

わ、なんだか矢鱈メンドクサイ文章になっちゃいましたね。
10月始めのエントリーなので、ぽつぽつ程度の書き物にするつもりでしたが…。
ま、仕事を頑張るには良い季節です。体調管理に気を付けて、一所懸命やりましょう!

2007年09月30日

●まだ改編ベースで動いてます。

さて、今週は多忙の為なかなか更新できずに居ました。
忙しいのはありがたいこと。ただ体力がどこまで持つか…(不安)
因みにこんな一週間でした。

【ラジオ】
今週はラジオのお仕事が沢山ありました。

・半蔵門のFM
 ⇒えふえむフェスティバルの立ち上げが間もなくです。Webも印刷物も事務局も超多忙。
  果たしてローンチに間に合うのか?頑張ります!
 ⇒某自動車メーカーご提供の全国ネット番組の企画が通った模様。よかったよかった。
  辞めても番組表に新しく自分の企画が載るのはありがたいことです。
 ⇒その一方で、在籍時に企画した幾つかの番組がこの改編で終了。
  今日クルマでラジオを聴いていたら、偶然自分の企画の終了を知りました。無念。

ラジオNIKKEI
 ⇒いよいよ本日から、ワタクシが構成・作家を担当しております「週刊 日経トレンディ」の
  Podcast配信がスタートしました。みんなRSSを登録してください!
  明日の日経朝刊に、この番宣が掲載されるそうです。駅で日経買ってみるか。

FMサルース
 ⇒ハワイの101FMとのコラボレーション企画「Weekend Music Break?From Hawaii」が
  いよいよ10月6日(土曜日)からスタートします!結構感無量です。
  俺のラジオ仕事も、遂に太平洋を越えるか…ムヒヒ。(出張は叶わず。)
  ちなみにスポンサーを本気で募集中。安くて効果出ますよ!詳細Takまで!

 ⇒で、自分の番組「Salus Beat Press」はこの改編で時間移動します。
  次回オンエアから毎週土曜日の17:30-17:57となります。3分間短縮だー。
  打ち切られなかったのはラッキーですた。N編成部長ありがとうございます!

・そのほかのラジオ
 ⇒何やら在阪AMラジオ局のお仕事の話が来ました。明後日最初の打合せ。
  決まるといいなぁ。

…ただ、この手の各ラジオ局のお仕事をしていると気になるのが、某局の仕事の振り方。
ラジオ局の業務の中核を丸投げして、後は知らん振り…ってのはちょっとマズくないですか?
モノによってはプレゼンまで僕がクライアントに行って。
放送局が、中流から下流の工程を外注に依存しているのはもうある意味仕方の無いことですが
上流工程まで完全外注ってのは、まさに産業の空洞化を地で行くようなものでしょう。
僕はそれがお仕事になっているから良いのですが。ちょっと心配。

【PRエージェンシー業務】
先日まで来日していた某外国人エステティシャンの来日PR・広報業務に初挑戦。
取りあえず無事に終了しましたが、やはり初めての業務なので反省点が多かったです。
この仕事は、メディア企業へのネットワークを広げたい僕達からすれば良い仕事なので
この分野でもしっかりお金を取れるクオリティと業務実績を残して行きたいと思います。

【イベント】
南町田で担当しているレギュラーイベント「グランベリー・ミュージック・ブリーズ」が
昨日初の雨天中止。エアフレイムで過去20本近くイベントをやってきて初めてです。
結構晴れ男・晴れ女ぞろいのスタッフなのですが。残念!

【その他お仕事】
その他にも、某レーベルとの業務提携のお話や、いよいよ来週コンペの結果が発表される
某大手プロダクションへの新規事業計画提案。某ITポータルへの事業計画提案など
比較的大きい話が、この数週間でどんどん動いています。身体が幾つあっても足りないよ!
最近、ホンキで秘書が欲しいと思うときがあります。
できればタイトミニのスーツが似合う、桜井幸子系の女性秘書という方向で。(バカ)

【時計】
最近時計の記事多すぎない?と、某O氏やH氏にツッコまれつつ、それでも書いちゃう。
昨夜も買っちゃいました。Swatchのデッドストック。ちょっとかわいいでしょう、これ?

swatch.jpg
12時位置のオープンテンプがフレデリック・コンスタント風。

このSwatchのAutomaticシリーズ、97年前後のデッドストックが安く出回っていまして
この"Virtual Silver (SAK128)"もなんと3,000円を切った価格でゲット。いやー超安いよね!
…なあんて思って居たのですが、考えたら10年死蔵されてる機械式ムーブって、絶対に
油が揮発しきっちゃってますよね。Swatchってメンテやオーバーホールをしない前提で
商品を作っているので、搭載されているムーブも、ケースから取り出すことさえ出来ず…。
ま、半年くらい使えたらヨシとしましょう。その後は緩急針いじりの実験台にでもしよう。

ところで、この時計に乗っているムーブメントはETA2842という代物。
2824や2892系ならウチにも沢山あるのですが、これは初めて見る型番。…と思ったら、
どうやらこの2842ってのはSwatch専用ムーブのようですね。23石・デイト付き…ですが
Virtual Silverは三針のみじゃんよー。

ま、そんなこんなで、昼はラジオ稼業、オフタイムは時計と
相変わらずヲタ臭い日々を過ごしております。目下の悩みは生活に色気がないこと。
どうも最近オトコとして終わっているような…。
ちょっとヤバくない? 終わるの早すぎじゃない?

※検索避けの為、一部文言を修正しました(1105)

2007年09月11日

●情報は人を幸せに出来るのか。

911.jpg
この写真さえ、情報としてどう捉えられるかを考えなければ。

間もなく、米国の同時多発テロから6年を迎えようとしている。
2001年9月11日の深夜、残業から帰ってきた部屋のTVに映し出された映像は
ハリウッドのどんなプロデューサーさえ思いつかないダイナミズムを持つものだった。
かつて神戸で見た、阪神大震災で崩壊した街と同様、僕の想像を遥かに超える衝撃だった。
SF映画で描かれるスペクタクルでは、主人公のヒロイズムに隠されてしまう
人々の血の匂いと絶望の叫び。そして死と、想像出来ないほどの不条理な哀しみが満ちていた。

あの日以来、世界は明らかに不穏な方向に走っている気がする。

それ故に。
メディアに携わる身として、時々「情報は人を幸せに出来るのか」ということを考える。

先史の頃から、情報を持たない大衆は常に虐げられ、不利益を被ってきた。
しかし為政者に搾取される大衆は、情報を持つことで自らの運命を変えてきた。

グーテンベルクが活字を発明し、出版の隆盛はやがて新聞というメディアを生み出し
電気通信の技術はグラハム・ベルやエジソンにより、メディアに強大な力を齎した。
遠い街で起きていることをリアルタイムに知ることで、人は世界の動きだけでなく
社会を恣意的に運用する存在の悪意を知り、手遅れになる前に対抗することができた。
21世紀に入り、インターネットという新しいメディアを得て
今や12歳の少年でさえ世界中に情報を発信し、世を驚かせることができる。

欧米の市民革命だって、日本の明治維新だって、東欧の民主化だって、
活字やメディアの力がなければ起きなかった事象だろう。
メディアの発達は、人々の幸福追求の思いが後押ししたと云えるだろう。
「ジャーナリストは民主主義の下僕である」という言葉が、それを端的に顕していると思う。

ところが、最近は情報が人の悪意を拡大し、暴発させるトリガーになっている事象が多い。

昨日裁判にかけられたある男は、社会への逆恨みを、電車内での自爆テロで晴らそうとした。
自爆テロという手法、爆弾製造の手法はWebで得たらしい。
或いは携帯サイトで知り合った見ず知らずの男たちが、何の罪もない女性を殺す。
おそらく彼らは、独りでは人を殺すなどという行動は取ることができないだろう。
2ちゃんねるで繰り返される犯行予告とその結果は、
誰でも参加できる「究極の民主的メディアでの情報発信」という形で
自己の歪んだレゾンデートルを満足させるものではないか。

もっと大きな話をすれば、自由主義と共産主義のイデオロギー対決が終結した後の
宗教対立―主にイスラム対非イスラムの―は、「情報」が煽り、加速させてはいないか。
情報を流通させるメディアに悪意が無いとしても、世界各地で発生する過激なテロリズムや
それに対する報復は、メディアを通じて瞬時に世界に配信され、眠っている誰かの悪意を呼び覚ます。
そんな可能性があるのではないかと思っている。
例えば中国の金盾のような情報制御が、かの国の真の民主化を妨げていることには間違いないが、
その一方でアルジャジーラで放映されるテロリストの犯行声明が、過激なインティファーダを惹起し
異なる価値観の対立(憎悪の方が正しい表現か。)を加速させてはいないか。

※誤解を避けるために敢えて記述するが、これは「寝た子を起こすな」的議論ではない。
 暴力の高度化・大規模化に対する懸念であると受け止めて欲しい…難しい書き方だけど。

また或いは、湾岸戦争以降より強くなっている「戦争のTVショー化」というものや
ゲームやエンタテインメント等が、死の持つ意味や暴力が持つ不条理を軽いものにしていないか。
これ位の力で殴れば人は死ぬ。
そんなことさえ分からない人間が増え、世に殺人は加速度的に増えていく。
それが個の殺人であれ、戦争の大量虐殺であれ。

情報は情報でしかない。
ただ、それを伝えるメディアは「演出」を排除することはできない。
言葉の選び方、カメラのフレーミング、映像の編集、BGMの選択。
これらには全て、制作者の意図が絶対に入る。
カメラの定点観測でさえ、そのカメラの設置位置に制作者の意図があるのだから。

メディアマンは―否、ジャーナリストは、その「無意識の演出」の危険性を意識しなければならない。
今や、僕たちは地球の裏側で起きた些細な出来事さえ、発生から10分で知ることができる。
それ故に、自らが送り出す情報が、誰にどのような形で受け止められるかの想像力を要求されると思う。
今、僕たちは、情報が持つ可能性と危険性を天秤に掛けなければならない。
それはギリシャ神話のアストレイアの天秤にこそ似ているものの
死者の魂を量るものではなく、人を幸福にするための秤でなくてはならない筈だ。

米国同時多発テロから6年。
かの悲劇の地、グラウンド・ゼロに建つ「フリーダム・タワー」の名の通り
いつか人類すべてが、平和のうちに自由を享受できるように
メディアマンとして、その礎石たる矜持を以って働けるように、頑張ろうと思う。

2007年06月29日

●【速報】デジラジ終焉の嚆矢?

そろそろ寝るか、と思っていたら
LunascapeのRSSティッカーに衝撃のニュースが。

デジタルラジオ、’11年以降に現行機で受信できない恐れAV Watch

実はこの情報は、早くからキャッチしていた。
総務省のVHF帯域の周波数割り当てプランが当初の計画とは変わりそうだということ。
結果、前日の情報通信審議会情報通信技術分科会の答申は予想通りで
デジタルラジオの割り当て周波数は大幅に変更になった。

続きを読む "【速報】デジラジ終焉の嚆矢?"

2007年06月24日

●Youtubeに日本語版は必要なの?

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何が使いやすくなったのかが判らなかったが・・・。

今日は久しぶりに完全オフ。まぁ、お客さんから電話があったりはしましたが。
で、Youtubeで動画漁りをしておりました。
最初Wikipediaで95年の地下鉄サリン事件の調べものをしていたのですが、その繋がりで
過去のハイジャック事案→911関連と来て、航空機事故関連のニュース動画をチェック。
その日その時に知りたい!と思ったものを、瞬時に探し出せるインターネットは
今やニュース動画等も手間を掛けずに呼び出すことが出来る。これは凄いことですよね。
一日ワンテーマで膨大な情報の海を漂流する醍醐味を味わうことが出来ます。

ちなみに、毎日のテーマは完全に気まぐれ。
今日は比較的ハードな事象を扱いましたが、別段そういったものばかり扱う訳ではなく
例えば先週だと「ブラジルと中国のVW車」や「家系ラーメン」、「Wordpress」だったり。
あ、そう云えばウインザー朝について延々と調べたりもしました。
それらが何かに活かされるかというと、殆ど役に立ちはしないんですがね。
WikipediaとYoutubeがあると、どんどん知的関心の輪が広がるのは面白いです。
あ、あとGoogle Earthも手離せないサービスの一つですね。

そんな中、先日スタートしたYoutubeの日本語化について。
あれって何か意味あるのかな?と考えてみました。
元々直感的なユーザーインタフェイスですから、英語が解らなくても苦労しないと
思っていたのですが、そもそも需要があったんですかねぇ?
何でも、10ヶ国語位に同時に対応したそうですが・・・。

ただ、使い易くなったことでユーザー層が広がり、「表現の広場」としてYoutubeに
オリジナルコンテンツが増えていくのはいい事かもしれませんね。
著作権を侵害するコンテンツばかりでは、将来性が無いですから。
FLVによる動画配信って、純粋に個人でやろうとすると大変だしお金も掛かりますから
Youtubeを始めとする一連の動画配信サービスには頑張って欲しいものです。

僕は配信も閲覧も両方楽しむユーザーですが、それがいつか極めて一般的なことになり、
インフラに依存する既成メディアを凌ぐほどの速報性・客観性・共有性を持つ新メディアが
誕生すれば、世界はもっと進化するかもしれない。
18世紀以降の市民革命だって、20世紀の東西冷戦だって、情報の広汎な流通がそれを助けたと
云うことが出来ますからね。権威化・特権化した既存メディアへの対抗軸になって欲しい。
そう考えると、この手の「情報共有プラットフォーム」が進化する意味も見えてきます。

勿論、この手のコミュニティが避けられない「匿名の悪意」には注意が必要ですが
それに対する情報リテラシーの強化が全般的に為されれば、未来は見えてきます。
そんな未来に貢献できるようなエアフレイムであり、Takで居たいなぁ。
メディアマンとしての立ち位置も、テクノロジーの進化に負けないように変化させなければ!
そんなことを考えていた日曜日でした。

2007年04月26日

●わざわざ巻き込まれに行ってみないか?

今日のエントリーは、是非民放人・IT人に読んで頂きたい。

2005年1月に起こった「ライブドアーニッポン放送騒動」。
これまで放送免許という利権に守られて、ボッタクリ状態で儲けまくっていた民間放送業界は
自分達のムラの論理には無かった「資本の論理」で一気呵成に攻め込んできた新興企業に
殆ど感情的としか言い様がないアレルギー反応を示し、あらゆる利権(政治を含む)を使って
これに抵抗した。

この時僕は、東京のラジオ5社共同企画のスタッフとして、東京の各ラジオ局と仕事を
しており、当然LFの人々とも話をした。
その上で、僕が取った行動は二つあった。
ひとつは、ライブドアの当時の社長、堀江貴文氏にメールを書いたこと。
これには、「LFが本当に欲しいなら、僕の企画を読んでみないか」と記した。
もうひとつは、LFの方に、「絶対にライブドアから買収されない秘策」を説明したこと。
これ、説明すると長くなるので、知りたい人はメール下さい(笑)

僕は民放の人間だったが、この案件については完全にフェアで居たいと思った。
だから双方に意見し、双方の出方を見た。
結局、いち現場人の意見は特に注視されなかったようだった。
悔しかったから、僕はその年の夏、エキサイトと組んでイタズラをした。
日経が記事にしてくれて、僕は常務会に弁明書を書いた(笑)
(日経に記事は残って無かったのである方のブログから。見出しがイタズラ。)

そして同じ年の秋、今度は楽天がTBSに攻め上がった。
当初はマスから叩かれないように、双方とも穏やかに話し合いを始めたが
短気な三木谷氏と逃げ回るTBSの主張は平行線を辿り、ついに先日楽天は
TBSの株式を20%以上取得し、TBSを持分法適用会社にする旨をブチ挙げた。
ちなみにそれに対するTBSの反応は、この記事を読んで欲しい。

これらの事件は僕にとってのパラダイム・シフトを巻き起こし
結果「民放業界からIT業界に乗り込む」という選択肢を選んだのだが、
ありがたいことに、この二つの業界のいがみ合いはまだまだ続いている。

僕は、これを千載一遇のチャンスと睨んでいる。
ちょっとした知恵と、ちょっとした胆力があれば
僕たちはこの状況の中で、風雲児になれるかもしれない。
いや、少なくとも僕はそういう風になってみたい。
歴史の転換点に関与できる機会が、僕らの人生に何回ある?
明治維新は起こせなくても、放送と通信の歴史に挑むことは、今なら出来ると思う。

このページを見て欲しい。
楽天は、自社サイトにTBSの株を買い増すための理由を掲出している。
その上で、意見や質問を求める、としてメールアドレスを公開している。

2年前にライブドアに対してそうしたように
僕は今回も楽天にメールを書き、企画書を送ろうと思っている。
今回は、TBSにはアクションしない。
一方に棹差して、両者の間を掻き回すだけのトルクを持っているか試してみたい。
そして、僕には掻き回すだけの企画がある、と自分を信じてみたい。

とは云え、また無視されるのもイヤなので(意外とひがみっぽい)、
今度は同志を募ってみたい。
一緒に策を練り、名前を並べて楽天にアプローチしてみたい、という人は居ないだろうか。
無視されても、そしたら自分の仕事で頑張ればいいし、損は無い。
ただ、天下の大企業ふたつを向こうに回して自分を試せる、ってとこだけで僕は興味がある。

GW明けには、メールを書こうと思っています。
「オレも混ぜろよ!」っていう物好きな人は、連絡下さい。
ちょっと刺激的な「課外活動」、してみましょう。