このシリーズだけで年商40?60億円ですよ。
さて、最近ハマっているものに、この「ふんわり名人 きなこ餅」(越後製菓)があります。
とても米菓とは思えぬほどの軽くとろける口当たりと、そこにコーティングされたきな粉が
本物のきなこ餅を凌ぐほどの美味しさを醸し出しているのです。
このふんわり名人、今年の夏ごろから大ブレイクしており、
現に我が家の近所のスーパーやコンビニでも品切れのことが多くあります。
ひと袋約300円。決して安くは無いですが、この味なら仕方ないかー、とも思います。
越後製菓がこの商品を開発した背景には、せんべいやあられなどに縛られ、硬直化した
市場環境に対する焦りと、そのことから来る価格競争への不安があったようです。
大胆な設備投資も含むこの新商品開発は見事に功を奏し、いまやこの「ふんわり名人」
シリーズだけで、今年40?60億円の売上げを見込むほどです。
その辺のことは、今月売りの日経 TRENDY (トレンディ) 11月号に詳しいですが、
僕はこのヒット商品を創る過程での「原点」に注目したいのです。
日々新商品を打ち出さなければ、主戦場のコンビニでスポイルされるスナック菓子のように
「誰も思いつかなかった新機軸!」といった短期決戦のアイディアを打ち出すのではなく
新しい技術を「きなこ餅」という、熟知している昔ながらの味に昇華したことで
米菓復活への活路を見出したことが、「企画」の真髄を突いているように思えるのです。
宇宙開発でも「枯れた技術」をつかうことは鉄則の一つです。
完全な新機軸ではなく、自分が得意な領域で新しいものを活用すること。
これを忘れると、足腰の弱い企画しか出来ませんし、失敗の可能性もあるのです。
このとっても美味しい「ふんわり名人」にも、プロジェクト成功の秘訣があった訳です。
うむ。やっぱり「餅は餅屋」ということですかね。(←ぶち壊し。)