アメ横の入り口。(上野側)
さて、本日も仕事山盛りなのですが現実逃避して上野へ。
上京以来行ってみたかった「アメヤ横丁」に向かったのです。
年末のニュース中継で必ず紹介されるこの商店街に、予てより憧れがありました。
上野駅側からアメ横に入ると、いやもう凄い人。年末はどうなっちゃうんだ?
乾物屋や服屋(しかも下町系の)、魚屋や時計屋、香水屋(?)、バッグ屋などが多かったです。
乾物屋や魚屋では、見事な河岸声のおじさんたちが啖呵売。
例えば、おつまみの豆や乾き物の袋(1個500円と書いてある)を2個・3個・4個…と積み上げて
「これで1,000円!…じゃ、もいっちょっ!…もいっちょっ!…これで1,000円だ!」と
どんどん袋を増やしていく。もう値札全然意味なし。
冷静に考えれば、6つ(値札で3,000円分)積み上げたところで一旦袋をバラしたりしてるので
ちゃあんと6つで利益が出るようになってるんだろうけど、その雰囲気が面白い訳で。
その他にも、「残念ながら本日で完全閉店の為、バッグ全品3,150円で大放出!」
(多分毎日「完全閉店」って言ってるよ。)なバッグ屋さん(何故「鞄屋」じゃないか解る?)
「もうお仕舞ぇだから1,000円。中トロも大トロも全部1,000円だぁ!」という魚屋さん。
この威勢のいい声とごった返す人込み。日本人も中国人も黒人も白人もなんでもいる感じ。
都心なのに、まるでアジアのマーケットに踏み込んだような楽しさがあります。
御徒町の終点まで、疲れる間もなく歩き回りました。ガード下も含めると結構広いんだけど。
ここのケバブはホントに旨かった。
途中でケバブ屋で買い食いしたり(ここの店員、中東系なのかラテン系なのかわからんが、
なかなか日本語も達者で面白い。僕は「アニキ」で家人は「お嬢様」だとさ<笑>)、
インチキな時計屋(全部コピー時計のブランド部分だけ書き換えてある。しかも出来が粗悪)
で、元のブランドが何かを当てたり、楽しく過ごしました。
んで、晩飯代わりにあるお店で海鮮丼を食べたのですが、値段は安いが味もそれなり。
道端にカウンターが並べられ、そこで丼をがっつく「雰囲気」はあるのだけれど・・・。
まぐろが凍ったままだった。あはは。
ちなみに、アメ横でスイス時計を買う人が多いと聴くので、僕も何軒か廻ってみましたが、
例えばモーリス・ラクロア(いま結構欲しいのよ。)を見ると、並行輸入品なのに
逆に正規代理店品より高かったりする。ディスプレイは激安風味なんだけどね(笑)
結局、どの商品も「安いものは安いなり」だし「高いものはそれなり」。
決して「良いものが安い街」じゃないんですねー。
じゃあ、なんで人々はアメ横を目指すのか。
それは多分、アメ横は買い物の楽しさやカタルシスを得られるからなのでは?と考えました。
最近は、ネットで最安値を検索してカードで決済&宅配便で受け取り…だったり、
全国どこにでもあるショッピングモールでこれまたどこにでもあるような商品を
どこでも同じ価格で買ったり。別段買い物って面白いものじゃ無くなってるんですよね。
でも、ここでは啖呵売に乗せられたり、値段交渉でより安く商品を買ったりすることができる。
これって、「あー、買い物って面白い!」と思える大事なエッセンスですよね。
消費をしなければ生活が出来ないのであれば、その消費をも楽しみたい。
そんな消費者の気持ちと、それに応えるお店の意気が詰まったのが、このアメ横なのでしょう。
僕もそれに乗っかって、定価8,000円の本マグロの大トロのサクを1,000円で買いました。
どの魚屋も大トロ1,000円って言ってる。
絶対本マグロじゃないし、絶対大トロじゃないんだけど、おっちゃんの啖呵に
敬意を表して購入。刺身が旨くなかったら、まぐろカツにでもして食べればいいし。
あー、面白かった。
あと、上野はやっぱり東北の匂いがするよね。西側の街にはない空気を感じました。
その空気もとっても素敵。
願わくばヘンな再開発なんぞされずに、このままの猥雑さが残って欲しいと思います。