昔から、コンビニの書籍コーナーが大好きです。
あの窓際の書棚に並んだ雑誌の表紙を眺めるだけで、なんとなく社会の潮流が判るから。
どんな漫画家がヒットしているのか。いま注目のクルマはなんなのか。みんなが行きたい場所は?
ファッションのキーワードは?(「愛されコーデ」とか云われても意味が解らんが。)…等々。
ヘタすりゃ今のエロのトレンドまでわかっちゃう。狭いスペースだからこその妙味です。
いつだったか、某カップめんメーカーの宣伝の方に伺ったのですが
コンビニ向けのカップめんは、棚に並んでから「売れないね」と判断されると
僅か3日間で撤去されてしまうんだそうです。
全国数千店舗での膨大な売上データが、POSを通じて瞬時に本部にフィードバックされるから
対策ももの凄いスピードで行われるわけですね。
狭いスペースで最大の売上げを追求するコンビニは、最も厳しい流通戦線である訳です。
だから書籍コーナーも、消費者の購買意欲をそそらないアイテムは生き残れないんですね。
良書であれ、悪書であれ。
そんな中、最近コンビニに置かれるペーパーバック書籍にちょっと変化があります。
これまでは、「ミナミの帝王」や「三丁目の夕日」、「ゴルゴ13」などの定番コミックや
パチスロ必勝法系の比較的「お弁当と一緒にどーぞ。」的なアイテムが多かったのですが
(事実、この手のペーパーバックは「お弁当+お茶+本」で1,000円になることを目処に
開発された商品だそうです。)、最近結構知的好奇心をくすぐるシリーズが増えています。
そんな中で、最近オススメなのが青春出版社(シケタンとか懐かしいでしょ。)の
「ワンコインブックスシリーズ」。一冊税込み500円です。
最初はコンビニだけでしか見なかったのに、一般書店でも見かけるようになりました。
青春出版社 (2007/10/25)
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特にこの「地図帳シリーズ」は、既に2冊購入しちゃいました。
たった500円で、非常に充実した内容。凄く面白いんですよ。
上記の「『宇宙』の地図帳」は、最近の宇宙科学領域の話題や議論を手軽に勉強できて
楽しいです。ビッグバンの記事だけでも相当面白かった。
監修が国立天文台の教授だから、薄っぺらい雑学本になっていないんですね。
一冊読めば結構な勉強になるありがたい本が、コンビニで500円で買える。
このトレンドは、ともすれば本離れ・知識離れが激しい日本人の、カウンター的な
「智への欲求」が産んだものなのではないでしょうか。
ヤングジャンプを買うように、知的好奇心を満たしうる書籍を気軽に買う…。
この流れがコンビニで起きたものだからこそ、ちょっと期待できそうです。