10歳にもならない頃。
40日間の夏休みは、
時として終わらないのではないかと錯覚する程長かった。
新学期、日焼けしたクラスメイトと再会する教室は
所在無い感じさえした。
20代の頃。
目の前の眩しい笑顔は
いつまでも僕のものだと思っていた。
予定が目白押しで
秋が来ることを感じる暇も無かった。
37歳の夏。
6週間なんて、瞬きする間に過ぎ去っていく。
オリンピックも、始まったと思った途端にもうすぐ終わり。
今朝、蝉の声が耳に残った。
そして今、庭で秋の虫が鳴いている。
今夜は涼しいなあ。
もう、夏も終わるんですね。
明日は処暑です。
「P.S.抱きしめたい」(稲垣潤一)