今朝からずっと楽しみにしていた。
西田敏行・柳葉敏郎というキャスティングにも期待していたし、その期待は裏切られなかった。
少なくとも、前半は良い出来だったと思う。
細かい部分にも、演出が行き届いているシーンがあった。原作に無い場面でも、同様に。
ところが、後半は余りにも酷すぎた。
まるで違う作品を観ているような気さえした。
掌編である原作を2時間サイズに拡大する必要があったのだろうけれど
何ももたらさない、伏線にもならない、況やキャラクターの人間性を損なうような
そんな水増し用の追加エピソードは要らなかった。
ましてや物語の鍵となる幾つかの要素を、タイミングも意味合いも重みも全て無視して
あまつさえラストを改変するなど、言語道断としかいいようがない。
脚本家は、おそらく原作を理解しようとしていない。
浅田次郎のプロットの巧みさに敬意を払っていない。
原作に込められた沢山の愛を表層だけで撫で回している。
「仕事」をせず、「作業」でこの作品を作ってしまった。
原作:浅田次郎ではなく
Inspired by シューシャインボーイ / 浅田次郎、ならまだ良かったのに。
「地下鉄(メトロ)に乗って」の時も、
「椿山課長の七日間」(映画版の方。TV版は結構良かった。)の時も思ったけど
浅田次郎作品の映像化はやっぱり無理なんかなぁ…。
原作を知らずに今夜のドラマで感動できた方も、ツマンネ…と思った方も
ぜひ原作を読んでみてください。一番上の「月島慕情」という短編集に収録されています。
【シューシャインボーイ / TV東京】
http://www.tv-tokyo.co.jp/shoeshine/
※かなりガッカリしたのでリンクは貼ってあげないもんね!