人類(ホモ・サピエンス)がこの地球上に出現してから25万年ほど経っているそうです。
その中で最大のトピックといえば、火と道具、言葉の使用ではないかと考えています。
しかし、25万年経ってさえ、実は私たちはそれらを完全に御することが出来ません。
火は自然に在ったものから自ら起こすものとなり、今や原子の火を使っているけれど
実は人間は、自然発生の山火事や、不始末の焚き火すら容易には消せません。
道具は、棒っきれ一本から始まり、今や宇宙にまで進出できるほど進化したけれど
人はひとつの石で死に、一本の棒で殺されてしまうことがあります。
言葉は人々に智恵と歴史を授け、今や自宅に居ながら世界のあらゆる情報を集めることが出来ますが
短い言葉一つで戸惑い、誤り、混乱し、社会が崩壊することすらあります。
人類はその能力故に、その能力以上のものを使う唯一の存在として、地球上に君臨しています。
そしていつか人類は、その御しきれぬ力で、自らを滅ぼしてしまうのかもしれません。
それを避けるには、自己の能力を過信せず
常に畏怖と慎重を忘れてはならないのだろう、と考えています。
原子力発電所を運用する時も、自らの統治者を選択する時も、自らの言葉をネットワークに乗せる時も
その畏怖と慎重を忘れずに居なければいけないのでしょう。
我々は、弱く儚い存在であることを自覚し
その上で、与えられた能力を過信することなく存在しなければならない。
いま進行中の事象の幾つもが、共通してその課題を我々に突きつけているように感じています。
昔一緒に番組をやっていたアーティスト・竹仲絵理さんが
今回の震災の被災者の方々に向けて楽曲を創りました。ぜひ聴いて下さい。