仕上がりはかなりいいと思いますが。
さて、本日の時計はJEANRICHARDのTVスクリーン(Ref.24106)です。
この時計はeBay経由で、アメリカの時計屋さんから取り寄せたもの。
ジャケット+ジーンズの時などに着けています。
JEANRICHARDは、ジラール・ペルゴを抱えるソーウインド・グループの1ブランドで
GPの兄弟ブランドと説明されていますが、実質的にはディフュージョンブランドだと
思われます。価格帯もそんな感じがしますしね。
最近では、MVアグスタとのコラボモデルがたまに雑誌で紹介されています。
ブランドの歴史はこちらをお読み頂くとして、結構難しいのは
「このブランドの時計は果たしてお買い得なのか否か」ということ。
ブランド力は余り期待できず、このTVスクリーンはプチコンプリやトゥールビヨン
などのモデルもありますが、それが話題を呼ぶことは殆ど無いですよね。
ところが、実物を見るとモノは結構良いんですよ。
幅34ミリのケースは、ベゼルと文字盤のバランスが良く、適度なボリューム感で
ラウンドシェイプの時計の36-38ミリ位の印象があります。
また、カーブドサファイヤと曲率を合わせたラグが描き出す曲線で
手首にフィットして装着感がかなり良いのです。(僕の手首は18センチです。)
装着した時に一番美しく見える時計ですね。
ベルトはオリジナルとしてDバックル付きのクロコダイルが付けられていましたが
色が気に入らなかったので現在はブラウンのカーフに替えています。
愁眉はやはり「顔」。まずブルースティールのリーフ針が大変綺麗。
もう少し足が長ければと思うところはありますが、僕が所有する時計の中で
1・2を争う美しさがあります。(勿論1位はブレゲ・クラシックの針です。)
文字盤はおそらくコールドエナメルで、艶かしい輝きが自慢です。
カレンダー窓から見ると、結構肉厚な感じがするのも個人的には好感が持てます。
(文字盤が厚い・薄いのどちらが良いものなのかはわかりませんが…。)
中心から円を描いて配置されるローマ数字のインデックスは、墨を盛ったような
ボリュームがあり、何故か立体感があるのが面白いんですよ。
ムーブメントはETA2824。JEANRICHARDは自社ムーブのJR1000がありますが
残念ながらこの時計は汎用ムーブです。精度も特筆すべきものはありません。
ビス留めの裏蓋もシースルーではないので、機構的には平凡な感じです。
このTVスクリーン、アメリカだと実勢価格で500USD前後。今は円高なので5万円を切ります。
値引率が高すぎる(定価は2,200USD位です)のが気に入りませんが、この美しい時計が
極めて安く購入できるという意味ではお勧めだったりします。
機械式時計を選ぶとき、ブランド力・デザイン・機構・仕上げ・価格など
様々なファクターを考えると思うのですが、このJEANRICHARDは結構難しい印象。
最後は好き嫌いで決めるしかないような気がします。
ブランドにこだわらず、安くて仕上げの良いスイス時計をお探しの方にはいいかもしれません。