Atomネットブックの再活用法

2008年頃に大ブレイクしたネットブック。持っている方も多いのではないでしょうか?
Web閲覧に特化したモバイルノートPCですが、Windows XPが走るということで
実際にはこれをビジネスに使用したという方も少なくないと思います。
このネットブックには、インテルのAtomという低電力消費型のプロセッサが積まれていたのですが
これが感動的に遅く、カタログスペック上の動作周波数(クロック数)がなんの指標にもならないほど
もっさりとした動作でしたね。XPの仕様上、メモリも2GBまでしか積めませんし。
結局Core2duo以降のプロセッサが、処理速度と低電力消費を兼ね備えたこともあり
Atom搭載のネットブック市場は2009年以降に完全に失速してしまいました。
弊社の非常持ち出し用PCは、このネットブック。ASUSのEee PC S101です。
Atom N270(シングルコア/1.6GHz)を搭載したマシンで、一時はこれが外出時のメイン機でした。
しかしAtomの非力さに何度か発狂してしまって結局使わなくなり、
いまは予備役として実質的に引退しています。
ただ、先日の記事でご紹介したGoogle Remote Desktopを使っていて、あることに気付きました。
ブラウザ上で、他のPCのデスクトップ環境を再現できるこのサービス。
Windows XPのネットブックから、Windows7が走る事務所の母艦PCを操作することができるので
本来ネットブックでは出来ないような処理が(遠隔操作ですが)可能になるんですね。
特にネットブックでは厳しい画像処理や、Officeファイルの編集などは問題なく出来ました。
但し、Googleのリモートデスクトップでは音声は出力できません。
僕は現在、外出用にはiPadを使っており、これでも大抵の作業は充分にこなせるのですが
例えばドキュメント作成時にキーボードをしっかり使いたい…という時には有益な方法です。

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ただ残念ながら、僕が最も期待していた音声編集については
接続先のPCの音声を接続元のネットブックで聴けなかったので無理でした…。

このGoogle Remote Desktopは、現時点ではVista/7のPCなら接続元・接続先に設定出来ますが
Windows XP機だと接続元(他のPCを閲覧し操作する)にしかなれません。
一時的な接続は出来るようですが、Chromeへの常用登録は出来ないようです。
とは言え、外出先のネットブックから、自宅や会社のハイスペックなPCに繋げれば
それだけでネットブックの再活用が期待できそうです。
ストレージもクラウドを使えば関係ありませんし、元よりリモートデスクトップならば
接続先のPCに依存すれば良い訳ですからね。
タブレットじゃ不安だけど、Ultrabookはまだ見極めないと買えないな…と思っている方には
お手持ちのネットブックを(一見)ハイスペック化できるTipsとしていいのではないでしょうか。
この考え方は、まさにクラウドとシンクライアントの関係性そのものですね。
ソフトウェアとしては、クラウドストレージやリモートデスクトップのサービスが充実してきたので
後は「軽くて、母艦のデスクトップを高精細に表示できて、バッテリーが長持ちする」だけの
モバイル端末が出てくればいいなと思っています。
現在のUltrbookのような、ローカル側のCPUパワーなどは不要なので
GPUとメモリがある程度しっかりしていれば、
理想のモバイル・コンピューティングが可能になるのではと考えています。
Skydriveで、モバイルストレージにOfficeの編集機能を加えたMicrosoftあたりが
頑張ってくれないかなー、と期待しています。