際限なく増え続ける新メディア。
特にアナログの地上波テレビ放送が終了した後、空いたVHF帯域では
様々なマルチメディア放送サービスが計画されていますね。
デジタルラジオ放送も然り。
で、それに対してこんなコラムを見つけまして。
アナログ跡地の「携帯向けマルチメディア放送」は誰が何に使う?(IT-PLUS)
筆者のご見解に、ある部分で非常に納得した訳です。
僕はラジオ局員であった頃から、デジタルラジオ反対派です。
メディアばかり増やしても、肝心のパイ(需要人口)が増えなきゃ意味がないので。
1940年代後半から70年代の、民間AMラジオ放送、テレビジョン、FMラジオ放送。
そして1980年代のCATV、衛星放送、1990年代後半からのインターネット。
もうこれでお腹いっぱいじゃないでしょうか。
しかもその陰には、CAPTAINとかモバHO!とかBSデジタルとか衛星デジタルラジオとか
死屍累々たる「新メディア」もありましたよね。
超高額の資本投下に対して、利益どころか回収すらままならぬまま消え去ったメディアを
振り返ると、そこに共通するのは「理屈でメディアの魅力を打ち出そうとした」こと。
この新メディアがあれば、どこでも高音質&高画質のコンテンツや文字情報を…なんて
リロセイゼンとメディアの魅力を打ち出すのですが、それじゃ辛いと思うのです。
始めにコンテンツから入らなきゃ。そして、そのコンテンツの魅力を最大限引き出せるのは
このメディア、みたいな順番で訴求するべきだと思うのです。
ハコ(メディア)を作れば商売になる…そんな甘い時代では無いと思うのです。
まずは、足元の本業を頑張りましょうよ。不景気ですし。
特にラジオ業界については、まずラジオ自体の復権を目指してから、違う領域を
目指して欲しいな、と強く思います。
ラジオ復権なんて無理だよー、とのたまう御関係者もいらっしゃるかもしれませんが
iPodにFMチューナーが付いたのには、ちゃんとラジオに価値があるからですよね。
検索をしなければ、或いは誰かからその存在を教えてもらえなければ、新しい音楽に
辿りつけない…というネットでの音楽流通の最大の弱点に対する解答を、ラジオは持っている筈です。
ラジオなら、音楽との偶然の出会いを演出できるんです。
僕がかつてラジオでJUDAS PRIESTやACCEPTに出会い、メタル人生(笑)を送ったように。
ラジオは、人生の岐路(大袈裟ですが)すら演出できるメディアなのです。
ラジオが楽しいから、もっとそれを楽しみたいから。
そんな声に応える為にデジタルラジオがスタートする…。
そんなステップを踏んで欲しいし、そんな姿勢で日々の番組創りを頑張ろうと思います。
ラジオはオールドファッションではありません。
ラジオで働く人がオールドファッションになりかけているのではと思います。
業界のみなさん、頑張りましょう!
【21:50追記。】
忘れてた!グラスヒュッテのムーブ(Cal.39-31)の写真撮ってみました。
今回、やっとまともに撮れたと思うんですが、これでも見えにくいですね…。
凄く綺麗なのですが(特に地盤が。)
ちなみに表はこんな感じです。