革命的広告について

20120411.jpg
いやもうとにかく驚きました。

今朝、衝撃的なCFをテレビで観ました。
ホンダの「フィット ハイブリッド 補助金・免税」篇 15秒CMです。
何はともあれ、まずは上記リンクからご覧下さい。
僕はこのCMに触れたとき、雷に打たれたような衝撃を受けました。
多分一般の方々からすると、「あー、高田純次がまたいい加減なCMしてるなw」という
感想をお持ちになると思うのですが、広告を生業としている人が観たら驚愕すると思います。
何が凄いって、「商品名をいい加減に伝える」という点。
僕は番組を作る一方で、広告コピーも書いているのですが
広告と番組の最大の違いは「制約の多さ」にあると考えています。
番組と較べて圧倒的に短い時間で強いインパクトを残し、
尚且つ繰り返しの露出に耐えなければならないという難しさ。
更にコンテンツそのものが主たる目的、訴求すべきものである番組に対して
広告は「商品を認知させたり、販売意欲を喚起すべき媒介」な訳です。
当然広告主の意向も非常に重要な要素になり、彼らが嫌う表現は当然できません。
番組とは基本的なアプローチが違うんですね。
そんなことを説明しなくても、「商品名をいい加減に伝える」という手法が
本来の広告のセオリーからは著しく逸脱したものであるという点はご理解頂けると思います。
高田純次氏のキャラクターだからこそ挑める演出であることは間違い有りませんが
これを思いついたクリエイティブ・ディレクター氏の感性には脱帽です。
20年広告の世界でご飯を食べてきて、商品名をちゃんと伝えないなんて
一瞬たりとも想像したことはありませんでした。本当にうらやまくやしい!(笑)
(蛇足ですが、「商品名を言わない」という演出はそんなに珍しいものではありません。)
この広告のインパクトは、寧ろ広告業界に向いたものですが
機能的に考えても、高田純次氏が中途半端に商品名を隠してしまった結果
画面上の車種名を目で追う視聴者は少なくないと思います。
能動的に商品名を探させるという点では、大胆ですがなるほど!という印象を持ちました。
この革命的広告。
残念ながら体現できるのは、日本国内では高田純次氏しか居ないと思われますし
もう他社は真似できないという、非常にレアな存在ではありますが
既成概念だとか、仕事上のお約束、「配慮」という名の自主規制などに自縄自縛されている
自分の仕事ぶりを大いに反省するきっかけとなりました。
いやー、まだまだ広告には色んな表現の余地があるんだなぁ。
まだまだ修行が足りませんね!
ちなみに、このCMの最後の
「ま、詳しい話はお店で。」という表現も、冷静に考えるとかなり雑な締め方ですよね(笑)
くっそー、悔しいなぁ(笑)