オーバーシーズ・レビュー#1

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今回の画像はすべてクリックで拡大します。

さて、今回僕が購入した時計は
ヴァシュロン・コンスタンタンのオーバーシーズ(Overseas)Ref.42042/423A。
こちらは現行オーバーシーズの一世代前のラージモデルとなります。
同モデルは、一般的にバーインデックスの文字盤が想起されますが、こちらはアラビア数字のモデルです。
ムーブメントはCal.1311。27石/28,800vph(8振動)/50時間のパワーリザーブ。
こちらはジラール・ペルゴが1994年に発表した薄型自動巻きムーブメント・GP3100がベースです。
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シースルーバックにするほどの色気はありませんね。

調べてみると、このGP3100自体が実はETAの息が掛かっているのでは…と推理している人もいて
なかなか正体不明のムーブメントですが、ローター巻き上げ時の音が非常に精緻で素晴らしい。
このCal.1311と比肩する巻き上げ感を持つムーブメントは、僕の持つ時計の中では
アエロナバルのCal.582(こちらはレマニア製)しかありません。シャカシャカした感じは皆無です。
精度に関してはこれからですが、少なくとも初日24時間では+2秒。まずまずの出だしです。
この時計はクロノメーター規格。しかしジュネーブシールではなさそうです。残念!
この薄型ムーブメントとも相まって、ラージサイズと云いながら
ケースサイズは幅37mm(竜頭含まず)×厚さ8.3mmと比較的コンパクトなサイズです。
ところがブレスの幅が非常に広いこともあり、実際の数値よりもかなりボリューム感があります。
eposの3241RBM(40mm)と同じ大きさ位の印象はありますね。
またケースが薄いので、装着感も上々です。
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手首周り17cmの僕の場合、このような雰囲気になります。

現行オーバーシーズのケース経は42mm。このデザインで42mmだと
僕の腕ではかなり無理なのではないかと考えています。また、竜頭ガードが無くなっているのも残念。
その意味ではこの42042/423Aは僕にはピッタリだと考えています。
(とは言え、ブレスの造形は現行の方が圧倒的にカッコイイです。)
面白いのはクラスプ部分。バックルにブレスを止めた後、中心のレバーを「CLOSED」の位置に
スライドし、その上にカバーを被せるような留め方になります。確実な感覚があります。
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レバーにもマルタ十字が。

竜頭には、ヴァシュロン・コンスタンタンの証・マルタ十字が刻まれています。
竜頭の操作感は滑らか。カレンダーの送りもカチカチとしています。
随所にこの「しっかりした感じ」があるのが、満足度を高めてくれます。
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このベゼルの造形が…。

この上記の写真を見ていただくとお分かりかと思いますが、オーバーシーズのベゼル部分は
デザイン上、とても手入れが面倒です。ホコリがそれぞれの入り組んだ隅に溜まりますね。
爪楊枝と綿棒で手入れをしましたが、結構骨が折れました。
またベゼルのみポリッシュ仕上げなのですが、ここが傷つきやすく、この時計も6時位置に傷があります。
小傷ならアモールである程度取れますが、この時計を見ると、オーバーシーズ共通の悩みのようです。
裏蓋には帆船のレリーフが。これが結構綺麗で気に入っています。
Cal.1311が結構素っ気ないデザインなので、シースルーバックよりこちらの方がいいな、と。
ちなみに150m防水ですが、怖くて水に近いところでは使えません。
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空のアエロナバルと、海のオーバーシーズという使い分けができそう。

ああ、ここまで書くのにエラく時間が掛かってしまいました。
文字盤の解説や全体的な印象については、また次回に!