震災発生直後の弊社事務所と、節電により暗い木曜19時の青山通り。
もちろん今は事務所も綺麗に片付いています。
まず、今回の東北太平洋沖大地震により失われた多数の命に対し、そのご冥福をお祈りし
被災者の皆様の一刻も早い安全・安心の確保と、被災地の復興をお祈りいたします。
さて、東北太平洋沖大地震が発生して以降2回目の週末を迎えました。
会社的には、事務所は物が引っくり返って滅茶苦茶になりましたが、幸い人的被害は無く
翌日から業務を再開しています。業務案件の延期や中止による減収は厳しい水準ですが
現時点での試算ではなんとかなりそうですし、
東京商工会議所さんなどが支援する旨
ご連絡を下さっています。
(中小企業の皆さん、震災に起因する資金繰りなどの問題は商工会に相談されることを
お勧めします。弊社もそうですが、会議所の会員である必要はありません。)
個人的には、自宅はウクレレと写真立てが引っくり返った以外は被害なし。
計画停電や物不足、ガソリン不足などは確かにありますが
被災地の方々のご苦難を思えば、そんなものは取るに足らない些事です。
既に英会話やウォーキングも再開し、仕事の締切を気にする毎日に戻っています。
ご心配頂いた方々、ありがとうございました。
そんな中、いまとても気になっているのが「怪情報の流布」についてです。
これについては、
Twitterで書いたものを補筆・再編集して下記に記します。
最近僕の周りにも、チェーンメールや怪しげな情報に強く反応し、
大掛かりな行動を取ってしまう人が居ます。
残念ながら、どれだけ「その情報はヘンだよ」と指摘しても
次から次に新しい怪情報を仕入れてくるので、僕は途中から彼へのアドバイスを止めました。
最初彼がチェーンメールを回してきた時、その情報が誤っていることを
報道記事を引用して返信したのですが、彼は自分がチェーンメールを送った人に対して
「さっきの情報は間違っていた。証拠はこの記事。で、一方こういう情報があります…」と
情報修正のメールに、また別の怪しげな情報がくっついている始末だったのです。
確かに政府や東電などの関係諸機関が、全ての情報を公表しているかは分かりません。
ただその様子を拡大解釈し、政府やマスコミは事実を隠蔽している!と判断し、
本来彼らより遥かに信用度が劣る出所の怪しげな情報を信じてしまうのは非常に危険ですし、
驚くべきことです。
僕が今日までに得た怪情報は、軒並み尤もらしい「出所」が付いています。
曰く某大手新聞社の人。某大企業の社長。某官庁などなど…
じゃあ、その新聞社の人や企業の社長から直接話を聴いたのか、というとそうではなく
全て伝聞なのです。でもそこに信憑性を預託する人のなんと多いことか。
冷静に考えれば、その矛盾した思考に気付くはずなのですが、
この非常時…特に恐怖が伴う状態では、そうなるのも或る意味首肯できます。
彼らは良かれと思って怪情報を流布し、行動してしまう。
その根源に悪意はなく、それ故に心苦しい気持ちがします。
また怪情報に反応する人の多くは、それが煽る恐怖の根源について殆ど調べ物をしていない
傾向を感じます。ある怪情報には、原発のメルトダウンの可能性が80%…という記述が
ありますが、そもそもメルトダウンという状態は何を指すのか。放射線とはどんなものか。
それを調べないんですね。
別にプロ並みの勉強をしなくても、
日本原子力学会や
日本放射線技術学会などが出している
一般向け解説を読むだけでもいい。それだけで過剰な恐怖は無用(勿論しかるべき用心や
対策は必要ですが)と分かるのです。
でもそれは調べずに、根拠不明の情報に引き摺られてしまう。とても残念です。
(ただこれに関しては、僕も「安心したい」との想いから、根拠不明の情報を
ツイートするなどしたので、大いに自省・自制が必要であると考えています。)
今朝、僕のごく親しい人物が西に疎開しました。その根拠が書かれたメールを見て、
Webの発達が齎した「玉石混交の情報の瞬時の伝播」の怖さと
「正しい情報、信頼できる情報を探すリテラシー」の大切さを感じています。
でもそれは、既に怪情報の虜である彼には伝わらないのです。
僕は彼の疎開を否定はしません。行動自体はより安全な方策ではあるからです。
ただそれが、量的な飽和…つまり多数の人々によるパニックにならないことを祈っています。
正しい情報を得る努力を前提として、いま数多流通する怪情報と向き合って欲しいと
思います。
家族を守るため、自分を守るため、恐怖感を持って慎重に行動することは大切です。
ただその恐怖はコントロールできなければいけません。
適度な緊張や恐怖は、能動的な対処を促し、必要充分な対策の原動力になると思いますが
恐怖に乗っ取られてしまうと、過剰且つ不要な行動になってしまうような気がします。
これは、いま首都圏で繰り広げられている買占め騒動と同じことかもしれませんね。
少なくとも首都圏はそこまで危険な状態ではない、と僕は考えています。
そこでパニックになるよりも、本当の被災地である東北の人々に、充分な救援物資と
暖かく、安心して休息できる場所を提供することの方が遥かに大切です。
皆さん、冷静に考え、正しい情報を集め、適切に行動できるように一緒に頑張りましょう。
最後に、希望を感じる歌をひとつご紹介します。
歌詞はこちらです。
皆さん、どんなに暗い夜にも、必ず夜明けは来ます。
春も、もうそこまで来ていますよ。
【以下はまったくの余談】
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