Affordable Luxury

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いい時代になってきた…かな?

さて、最近各メゾンからバーゼルモデルの先行発表が相次いでいます。
全体的に俯瞰すると、ここ2年ほどの「Affordable Luxury」のトレンドは更に拡大。
これは先進国の不況だけでなく、アジア圏などの新興国でのシェア獲得をも意識しているのでしょうか。
手許不如意な僕でさえ「おっ!」と思うようなモデルが幾つかあります。
冒頭の写真は、ボーム&メルシエの「クラシマ・アニュアル・カレンダー」。
過去にハンプトンラインで出ていた年次カレンダーモデルが、今年はクラシマでデビュー。
これ、凄く好きです。
写真と資料を見ると、おそらくETA2892ベースでデュボア・デプラ14950というモジュール。
パテックのそれと同じ、3/1のみ修正するだけでいいのであればステキですよね。
針とインデックスはゴールド。アウトサイズデイトやディスク式の月表示、
5時位置のスモセコなど、要素が多い割にはスッキリとまとまった文字盤かと思います。
但し直径42mmのケースサイズは如何なものかと思いますが…。
国内の報道では世界限定1,000本ですが、海外では500本と報じられています。
国内では10月デリバリーで約45万円。ボンメルらしい、買いやすいモデルですよね。
もひとつ気になるのは、ナタフが居なくなった途端、方向性が真逆になったゼニス。
まあ原点回帰といった方がいいですかね。エリートのラインなどはかなり適正なプライス。
注目しているのは、キャプテンラインのグランデイト・ムーンフェイズです。
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これ、ナタフ時代だったら100万越えだったと思うのです。

1時と2時の間に置かれたアウトサイズデイトと、6時位置のムーンフェイズ。
これもいいデザインだなぁと思います。地味派手というか、そんな印象ですね。
こちらは55万円。ナタフ時代には考えられなかったお値段です(笑)
そのほか、IWCはポルトギーゼに続いてポートフィノも刷新しましたね。
正直言って、どれも先代モデルの方がいいのではないかと思うのですが。
特にポルトギーゼ・クロノグラフなんて、先代はかなり良いと思うんですがね。
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このモデルは40mmに拡大。トレンド読み間違ってない?

このポートフィノ・オートマチックは約39万。これはどうなんでしょうね?
IWCファンの方は安い!なのかもしれませんが、ぶっちゃけこれで40万近く出すなら
僕はボンメルを買った方が幸せになれるような気がするんですけどね。
で、この他にもカルティエがカリブル・ドゥ・カルティエのブレスモデルを
アンダー70万で出してきたり、ラルフ・ローレンも比較的安めのモデルを投入したり。
このトレンドは暫く続きそうですね。
ユーロベースで考えると、この手の時計は日本で買うには良い条件になっていますが、
昨今の中東・北アフリカの政治的混迷で、スイスフランが日本円の次に高騰しています。
そこがちょっとネックですねー。
あと、名門メゾンが安いモデルを出してくると
ブライトリングとかパネライはどうするんでしょうね?まあ余計なお世話ですが。
バーゼルの速報が楽しみです!

70’s!

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この絶妙なビンテージ感がいい!

さて、バーゼルワールド開幕まであと1か月ほどになりましたが
そこに向けた新作がぼちぼち出てきていますね。
僕は手元不如意なことと(笑)、或る程度各テーマに沿った時計が集まったので
最近物欲は控え目になっています。
今欲しいのはミニッツリピーターですが、幾らなんでもねぇ=3
ところが、グラスヒュッテ・オリジナルのこの新作にはグっときました。
「パノラマデイト・セブンティーズ」。
このケースデザインは、まさに70年代のメンズウォッチの王道ですよね!
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勝手な印象ですが、こういうスタンダードなスクウェアフォルムって最近では珍しいような。
勿論、パテックのノーチラスとかAPのロイヤルオークみたいな、ジェラルド・ジェンタ的スクウェアは
定番として存在した訳ですけれども。
新作で、70年代の雰囲気たっぷりのこのデザインは「抑えときたい感」を刺激されます。
グラスヒュッテ・オリジナルは、昨年のバーゼルで「セネタ・シックスティーズ・パノラマデイト」を
発表しています。こちらも綺麗ですが、僕は70’sの方がいいなぁ。
特に37から39ミリの大きさならなお良し!
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アウトサイズデイトは、まるでグラスヒュッテ産時計のアイコンのようですね。

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ムーブメントはCal.39-47。汎用ムーブのアウトサイズデイト付きですかね。

で、写真の通りこの60’sはGUB銘のCal.39-47を使っていたので、70’sにも同じものを
載せてくるのがセオリーなのでしょうが、出来ればスクウェアなグラスヒュッテ・ムーブが載って欲しい。
例えばランゲ&ゾーネのL931.3なんかが、アウトサイズ付きで同じような条件になります。
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こんなに萌えるムーブなのです。ブリッジの彫刻がもうね…♥

Cal.39だと、クロノグラフモデルのスポーツ・エボリューションを既に持っているので
若干興味が薄れてしまうので、出来ればこういう美しいムーブメントを載せて頂きたいな、と。
特にネジ止めのシャトン、3/4プレート、チラネジ、グラスヒュッテ・ストライプは必須で!!
…なんか勝手なことをホザいていますが(笑)
でもこれ、余裕で100万越えてくるんだろうなぁ。
100万越えなら、ブレゲ買った方が幸せになれそうです。(←酷いオチだ。)

アエロナバル偏愛

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この武骨さとエレガンスの絶妙なバランスが堪らないのです。
今回の写真は全てクリックで拡大します。

永くこのサイトをご閲覧下さっている諸賢には既にバレバレですが
どうしようもなく、ブレゲType XX・アエロナバル(Ref.3800ST)が好きで好きで仕方ないのです。
仕事の合間にふと思い立っては、デジカメで写真を撮り捲る親バカならぬオーナー馬鹿。
そこで今回は、アエロナバルのフェティッシュな(?)写真をアップしてみました。
<文字盤>
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ブレゲ最廉価モデルだけに、文字盤や針に高級素材が使われているような印象はありません。
しかし、この黒の文字盤に置かれた全ての構成要素の配置は絶妙だと思うのです。
各々の針先は極めて鋭く、分針は先曲げ処理が施されています。
アラビア数字のインデックスは非常に読みやすく、夜光も完璧です。とても明るいのですよ。
一番のお気に入りは筆記体のブレゲのロゴ。
初期モデルはBreguetの「t」の横棒が無いそうで。それがフランス流らしいのですが
個人的には横棒ありの方が整って見えるような印象を持っています。
<竜頭・プッシュボタン>
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竜頭には、ブレゲのBが刻まれていてアクセントになっています。
この辺が、軍用時計の流れを汲むアビエーションウォッチにも拘わらず
アエロナバルがエレガントな雰囲気をまとっている要素なのではないかと考えます。
クロノグラフのプッシュボタンはクラシカルな形状。押し易いですが、怖くて使えません(笑)

<9時側ケースサイド>
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ブレゲのアイデンティティを最も顕すコインエッヂ装飾。大変美しい…。
クラシックのそれと較べればどうしても目は粗くなりますが、ブレゲのオーナーであることを
満足できる重要なポイントだと思います。
<バックル>
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カミーユ・フォルネのアリゲーター製ベルトを留めるのは、ブレゲの銘が入ったディプロイメント・バックル。
こちらは筆記体ロゴではありません。つまり一本で二つのロゴを楽しめるのです(?)
良く見るディプロイメント・バックルと比較するとかなり小振りです。

<ケースバック>
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裏蓋はシースルーでは無く、ソリッドバックになっています。
まー提督に教えて頂いたのですが、リファレンスナンバーの最後が「0」のモデルは
ソリッドバックなんだそうです。確かに僕が持っているクラシック(Ref.3210BB)もソリッドですね。
ブレゲ故に、刻まれた文字はフランス語。「ETANCHE」は「防水」の意味だそうですが
とてもじゃないですけど水に近い環境では使えません(笑)
いかがでしたでしょうか?
アエロナバルの魅力が少しでも伝われば幸いです。

時計ケースの中身について。

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色々考えてこの10本なのです。

さて、今回はTwitterでの会話にヒントを得たエントリーです。
時計を趣味とされる方は、集めた時計をコレクションケースに収納することも多いでしょう。
僕も現在、3つのコレクションケースに30本の時計を収容し、
残りはリビングの棚のひと区画に並べています。
その中でも、上の写真のケースは最も使用頻度が高い時計が10本集約されており
個人的には「一軍」と呼んでいます。(残りが二軍・三軍…という訳ではありません)
ではこの「一軍ケース」には、どのような理由で選ばれた10本が収納されているのか?
これは個々人で様々な考え方があるのではないでしょうか。
僕は、以下のような複数の考え方で、この10本を選んでいます。
<1.ブレス軸>
メタルブレス、茶革ベルト、黒革ベルト、異素材ベルトが適切なバランスになること。
これは服装や靴の色との整合性からの観点ですね。
現在はメタル3本、茶革3本、黒革3本、ラバー1本という状態になっています。
<2.ドレス/カジュアルの配分>
また同じブレス/ベルト素材でも、その中でドレス系とカジュアル系を分けたいと考えます。
例えばメタルブレスの場合だと、スーツならシーマスター・アクアテラになりますし
カジュアルならスピードマスター。兼用ならブルガリ・エルゴンとなる訳です。
但し、茶革及びラバーベルトはスーツとは殆ど合わせませんから、カジュアル系が基本。
茶革の中に、唯一スーツに合わせても辛うじてOKなロンジンのコンクエスト・クロノを入れています。
黒革はブレゲ・クラシックが完全にドレスウォッチなので、残りはジャケ・レマン
eposのワンハンドなど、遊んだデザインや兼用も可能な範囲で選んでいます。
<3.カレンダーモデルの配分>
僕は毎日、外出直前に時計を選ぶことが多いのですが、そうなると時間が無い時などは
カレンダーモデルだと慌ててしまうことがあります。
なので、カレンダー無しのモデルを各ベルト色に入れています。
全体では、カレンダーモデルとカレンダー無しモデルの比率は5:5になっています。
<4.時計ヲタ的なバランス>
最後に、時計ヲタ的なバランスも考慮しています(笑)
実はこの10本、全部ムーブメントが違うのです。写真をご覧頂くと分かりますが…。
勿論ETA系が多いのですが、それもカブらないように考えています。
また、多針モデルからワンハンド、コーアクシャルやドイツ物など、それぞれのテーマも
多岐に渡っています。クロノグラフが多いのは…趣味ですね(笑)
いかがでしょうか?結構考えられているでしょう?(笑)
皆様のコレクションケースはいかがでしょうか。ぜひ色々お教え下さい。
ちなみにこの「一軍ケース」、大災害などで止むを得ず一塊しか時計を持ち出せない場合の
「非常持ち出し時計」を選んでいるという側面もあります。
だからブレゲが入っているんですね(笑)勿論、これだけじゃ足りないのですが。
ちょこちょこと入れ替えも発生しますが、最近はこんな感じです。

美しいムーブメントが欲しい。その2

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どんなもんでしょう?

さて久し振り(?)に時計の話題。
相変わらず美しいムーブメントの時計が欲しいなぁと夢想しているのですが
最近ショパールのL.U.C Mark III Classicが再び気になっています。
驚いたのですが、並行品だと36万円台にまで価格がこなれてきているのです。
これ、ちょっと凄くないですか?
ショパール自体が、グラン・サンク(パリ五大宝飾店)にしてマニファクチュール。
ジュエラーの美意識と、マニファクチュールとしての技術を持っている訳です。
加えて、このMark IIIは廉価モデルながら
・マイクロローター(ラチェット式両方向自動巻)
・65時間のパワーリザーブを誇るダブルバレル
・クロノメーター規格(L.U.C 3.96はジュネーブシールは取得できず)
…のマニファクチュール・ムーブメントです。
しかも上掲の写真を見る限りは、面取りなどもちゃんと行われているようですし
これは相当お買い得なのではないでしょうか?
もちろん、ケースや文字盤の仕上げも素敵です。
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スーツには最適かも。黒文字盤もあります。

一点だけ不明なのが、どの写真を見ても、このL.U.C 3.96(L.U.C 1.96の廉価版)の
ローターには「22K」の刻印があるのに、この記事では「タングステン+金メッキ」となっている点。
他の記事ではほぼ全て22金ローターと書いてあるので、どちらが真実か判りません。
また懸念ポイントとしては、ショパールは並行差別があるという点ですね。
僕は並行差別が無いメゾンの時計しか持っていないので、ここはちょっと不安です。
ETAのように大量に生産していない分、故障率が高そうな感じがします。
その辺がマニファクチュールの心配なところではないでしょうか。
とは言え、ETAのエボーシュを組みなおして「マニファクチュールでござい!」と
凄い値段をつけるメゾンに較べれば、この時計は相当良心的だと思います。
名門で、マニファクチュールで、美しいムーブメントで、マイクロローターで…
評価すべきポイントが山盛りのL.U.C Mark III Classic。
対ユーロの円高は、対米ドルのそれに較べて随分落ち着いていますが
状況によってはもう一声!が狙えるかもしれませんね。アンダー35万とか…。
買える当てはありませんが(笑)アフォーダブル・マニファクチュールとして
ぜひ注目したい一本です。
【関連記事】美しいムーブメントが欲しい。(2010年2月20日)

四十にもなると。

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本日の時計はブレゲのRef.3210BB!着けてるだけで健康になれそう!?(クリックで拡大)

さて、表題の通り
四十にもなると、嘗ては「健康だけがとりえです!」なんて云ってたのに
身体のあちこちにガタが来るようです。
少なくとも30歳までは風邪や腹痛くらいしか病気をせず
バイクで事故った時以外は救急車のお世話にもならず
盲腸も骨折も無縁な生活を送ってきました。
32歳の時にアタマの具合が悪くなった時は、4か月ほど休業しましたが
一年半ほどお医者さんにかかった後は大変元気に生活しておりました。
ところが今は、アレルギーが頭皮に出るという面妖な症状に悩まされ
かれこれ半年以上お医者さんにお世話になっており
あまつさえ2・3ヵ月程前からは、酷い四十肩に悩まされております。
(今日お医者さんに伺ったところ、四十肩は鍼灸院などの民間療法の方がいいとか。
帰りに薬局で薬は無いかと尋ねたら、無いですね!と言われた…)
また最近は、肩凝りが常駐するようになってきたもの悩みのタネ。
更に言えば、一番深刻なのは肥満だなぁ…。
まあ、40年も碌にメンテナンスせずに酷使し続けている訳ですから
調子の悪い部分が出てきても仕方が無いのは理解できるんですけどね。
身体も、時計のようにオーバーホールできればいいのにー。
ちなみに昔から病院に縁が無い生活を送ってきたからか
未だに病院やお医者様は苦手で、注射も薬も嫌い。
アホみたいな話ですが、今回のアレルギーのお薬によって
やっと粉薬をまともに飲めるようになった位です。
また最近、個人的にちょっと色々なことがあったので
(特定の病気とかが契機では無いのですが)
それに輪を掛けて病院が心情的に苦手になっています。
勿論日々健康に留意して、お医者様のお世話にならないのが一番大切ですが
この「病院・お医者さんがニガテ」というメンタリティはなんとかせにゃいかんとも思います。
あー…我ながら爺むさいエントリーだ…
どなたか、四十肩に効く何か、ご存じじゃありませんか?
ガツンと効果のあるものをご紹介して下さった方には、ワタクシが秘蔵して居る
グランド・コンプリケーション時計をプレゼント致します(笑)

ジャケ・レマン916A続報。

いや、あの、続報という程ではないのですが
どうもこの時計を気に入ってしまい、写真を撮ったので…。
画像はクリックすると拡大されます。ディテールも是非ご覧下さい。
・文字盤の装飾

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文字盤の装飾は、うろこ状のギョシェが中央部分とインデックスの外周部分に。
レコード引き仕上げがインダイヤルとインデックス部分に施されています。
文法的には間違っていないのでしょうが、このデザインにタキメーターが必要だったかは謎…。
・全体の表情
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全体の表情で一番気になるのが視認性。結構時刻の読み取りに難儀します。
また、ポインターデイトの日付表示部分にギョシェが施されていて、その上に日付が印字されているので
19日から31日までの部分はかなり読み取り辛いですね。
ローマ数字のインデックスは植字されていて、これは良いアクセントになっています。
ただかなり大きいので、ミニッツマーカーの表示が少なく、時刻合わせはタイミングが肝要です(笑)
24時間計の針だけが夜光塗料を盛られており、それ以外は夜間は一切読み取れません。
24時間針については、おそらくETAからの出荷時にそうなっているのでは、と推測しています。
違うかな?
ムーンフェイズの窓は写真で見るより綺麗。このお月さまには顔が入っています。
時針・分針の視認性は最悪ですが、ポインターデイトだけ針先が赤いのですぐに見つけられます。
同じ916でも、このモデルのような配色ならかなり見やすいのかもしれませんね。
・ケースと針
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ケースはベゼル部分がホグネイル仕上げ。サイド部分がコインエッヂ仕上げになっています。
いずれもブレゲ様式ですね。コインエッヂはアエロナバルのそれより若干ぼけている程度。
まあ、本家と比べちゃ酷ですが…。全体を引き締めるには非常に良いアクセントになっています。
文字盤と併せてかなり装飾が強いので、40ミリにしては小さく見え、一方で存在感は充分です。
12時位置の時針と、30分積算計の針を拡大して見比べて頂きたいのですが
どちらも針の厚みが同じくらいなのですね。その分、時針・分針の存在感が薄くなっています。
筒カナ(でいいのかな?)から4本もの針が伸びている訳ですから、或る意味仕方が無いのかなと思いますが
針の色や立体感を換えることで、随分違ったのではないかと考えています。
また、分針の先曲げ処理は施されていません。研ぎに関しては期待しちゃいけないでしょうね…。
「ブレゲの林檎」の部分が、12時・6時・9時の各インダイヤルの針の根元を通過するようになっていて
これは結構好きですね。
長さに関しては、きちんとミニッツマーカーに届いているので合格!
それから、竜頭やクロノグラフのプッシュボタンは物凄く押しにくいです。
指先が痛くなります(^^;) まあデザイン優先ですよね。何もない平板なボタンよりは良いです。
色々ケチをつけましたが、それでも全体としては非常にエレガントなデザインだと思います。
こんぷりけーしょんのとけいだー!という高揚感と併せて、充分満足できる質感を持っています。
比較用にブレゲのRef.3210BBの写真を観ていて思ったのが
このような細かい装飾を、手作業で仕上げているブレゲはやはりとんでもない仕事をするなということ。
この916Aですら美しいのですから、況やブレゲをや、ですね。
この916A。6万円台なら超お買い得、と自分では思っています。

円高ばんざい!

さて、最近つとに円高傾向が進んでおりまして
経済界や政界ではそれを憂慮するような発言が相次いでおりますが
もともと通貨高というものは、自国の貨幣価値が騰がることを示唆していますから
海外から物品を購入するには非常に都合が良い訳です。
で、この機を逃す手はあるまいということで、かつてJeanRichardを購入した
アメリカの時計ディーラー・Upscaletime.comから、一本お取り寄せ致しました。
今回はオーストリアのメゾン、ジャケ・レマン(Jacques Lemans)の916Aというモデルです。
Valjoux 7751を搭載した、トリプルカレンダー+ムーンフェイズ+クロノグラフという
プチコンプリケーションの時計ですね。
オーストリアのメゾンですが、製造はスイスです。

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黒い文字盤は写真が撮り辛い…。
ちなみにクリックすると大判の画像がご覧頂けます。

元々7751搭載の時計をずっと狙っていたのですが、余りお手軽な価格のモデルがありませんで
貧民の味方・eposですら13万円から17万円位するのです。
それがなんと、今回は時計本体が745ドル。送料が45ドルということで、6万円台で入手できたと。
これは相当にお買い得なのではないでしょうか。まさに円高ばんざい!な訳です。
7751搭載の時計は、オメガのMark40アラン・シルベスタインのものを除くと
殆どが似たようなデザインになります。先程のeposやクロード・メイランのモデルのような感じですね。
ところがこのジャケ・レマンは、ワタクシ好みのブレゲ風。
ブレゲ針(かなりペラペラですが)にコインエッヂのケースサイド。クラシカルな竜頭など
エレガントなデザインになっております。
このジャケ・レマン。国内ではF1公認の時計で有名ですが
過去にはこのような機械式時計も結構ラインナップしていたようです。
現在は殆どが廃番になっているようで、この916Aもオフィシャルサイトでは確認できませんでした。
F1ウォッチもそうですが、ジャケ・レマンの時計は非常にリーズナブルなのが特徴でして
この時計も定価でもおよそ3,300ドルです。
文字盤の植字インデックスや細かいギョシェ(プレスでしょう)はそれなりに雰囲気が出ていますが
裏スケから見える7751は、涙が出るほど素っ気ない…所謂「ETAぽん」感が満載です。
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間違いなくエボレートですよね…。

とは言え、7751の楽しみは何と言ってもプチコンプリとしての表示の多彩さですよね。
8つの針に3つの窓。文字盤と針の色から、視認性は最悪クラスです(笑)
12時位置のインダイヤルは、30分積算計に曜日・月表示。
6時位置は、12時間積算計にムーンフェイズ(合わせるのがメンドくさい)
9時位置がスモールセコンド+24時間計(短針と連動)となっています。
センターからはクロノ秒針、時針、分針、そしてポインターデイトの針が延びています。
ゴチャゴチャしていますが、それが機械式マニアには萌えポイントなのではないかと。
ケース径は40ミリですが、デザインが詰まっているので大きさは感じさせません。
ただし厚みは16ミリとかなりありますので、スーツで使うと袖口が煩いかもしれません。
ベルトはオーストリッチ(ダチョウですね)と珍しく、ディプロイメントバックルが付いています。
この916Aは、Upscaletimeで見ると非常にバリエーションが多く
文字盤やブレスの組み合わせで様々な表情を醸しているので、
興味のある方はのぞいてみて下さい。
7750のモデルもありますね。
ちなみにこのディーラー、ハミルトンがアホのように安く
このブログでもお勧めしているカーキ・ネイビー・GMTが4万円を切っていたりしました。
(リンクを貼ろうと思ったら、売り切れたのか表示が無くなっていました。残念!)
円高の今は、時計購入のチャンスかもしれませんよ。

10月になりました。

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神無月だから、でしょうか。この僅かな時間に幾つかのお別れを経験しました。
10月1日を迎えるとともに、名古屋のRADIO-i(愛知国際放送)が停波・閉局しました。
1951年9月1日、午前6時30分。
「JOAR、JOAR。みなさま、おはようございます。こちらは名古屋のCBC、中部日本放送でございます。」
このアナウンスから、日本の民間放送の歴史が始まりました。
そして、21578日と17時間半を経て、同じ名古屋の地で、初めて民放局がその灯を消しました。
最後の音楽、そして最後のクロージングアナウンス。その終了2分後に始まる永遠のノイズ。
おそらく最後は、主調整室(マスター)を落としたと思うのですが、それを見守ったスタッフの心中は
如何ばかりのものだったでしょうか。

意外ですが、民間放送の歴史はまだ59年と1か月しかありません。
そのうち、僕が民間放送の世界で仕事をしたのが17年と6か月。
三分の一、歴史を共有しています。
僕がこの世界の最初の一歩を踏み出した時、既にバブル経済は弾けていましたが
まさかこんな瞬間を迎えるとは、正直思っていませんでした。
僕らラジオマンは、否、放送人は、今日から新しい時代を迎えたと言えるでしょう。
関わったことの無い局の終焉ですが、感慨は想像以上のものがあります。
僕らが、民放ラジオ最後の世代とならないように
もっともっと考えて、もっともっと工夫して、もっともっと努力して
沢山の人々に必要とされ、愛されるメディアとして輝けるよう前進しなければなりません。
一方で、僕が取締役を務めていた会社が、本日旧オフィスを引き払いました。
午後から夕方まで、その手伝いに行きました。
辞任まで机を置いていたオフィスは、もう在りません。
がらんとしたフロアを眺めて、そこに居たスタッフの表情や、そこに在った思いが残っているようで
少しだけ、遣る瀬無い気持ちになりました。
その他にもふたつ、自分の中で大切なことがありましたが
それは自分の胸の裡に秘めて、いつか最終処理をしたいなと考えています。
感慨に鹹めとられては、前に進めません。
前途が厳しくとも、気概を以って、笑顔で頑張りましょう。
それぞれのお別れが、それぞれに意味があったと言えるように。
出会いがなければ、別れも無いのだから。
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今日選んだ時計が、民放の歴史とほぼ同じ
オリエントの60周年記念モデルだったのは、多分偶然。

突然

秋が来ましたね。
今日は日中こそかなりの陽気でしたが、朝夕の肌寒いこと。
一昨日くらいから、温かいコーヒーを飲み始めました。
(と、いいながら今はアイスコーヒーを飲んでいるのですが)
昨日から革ベルトの時計を解禁しました。
およそ3ヶ月強、着けていなかったので嬉しくって…。
まず第一弾は、ハミルトンのカーキ・ネイビー・GMT。

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あ、ピンボケしてる…。

これまで、第2時間帯をホノルルに設定していたのですが、最近カナダはバンクーバーの
会社と連絡を取ることが多いので、当地に合わせようと思ったら…ありませんでした。がっくし。
んで、今日は遂にブレゲ出動。アエロナバルを本当に久し振りに着けました。凄く嬉しい♪
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これを眺めているだけでカフェで過ごせます。

そう言えば、三越WWFのエントリーで書いたアエロナバルの限定モデル。
フランス海軍航空隊100周年記念モデルです。結構カッコいいですよ!この記事をご覧下さい。
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このブレゲらしからぬハードさが素敵♥

ベゼルの造形が立体的で非常に魅力的。ちょっとお手入れは大変そうですけどね。
限定1,000本なのに、定価9,200USDは大バーゲンプライスですね。
おそらくSGJは現行アエロナバルと同じ価格(84万円)と同じか、高くても90万円前後で
リリースしてくるのではないでしょうか。凄く楽しみです。
それから、こんなモデルもありました。
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48ミリは大きすぎるだろ…ブレゲの常識的に考えて。

機構的にはかなり凝ったものなのでしょうが、如何せんデザインが好きになれない…。
まだこの後も、ロンジンとかオリエントとかローマーとか
着けたい時計が沢山あるので、できるだけ涼しくて乾燥した日が続くことを祈っております。